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2008年01月28日

日々徒然

連日の寒さから解放された。先週の極寒にはカラダがフリーズしました。
今日は天気がいいので、数ヶ月ぶりにヘアーサロンに行った。お店に入ると
「少しお待ちいただくことになりますがいいですか?」
とスタッフが話す。
「いいですよ」
と、雑誌や持っていた文庫を読みながら順番を待つ。担当の美容師さんとは八年ぐらいの付き合い。わたしの髪のクセも分っているので、ヘアースタイルを変えるときは、雑誌など見ながらボリュームや長さを決まる。今髪の毛が纏まらないので、やはり切りたいと告げ、センター分けのボブにして欲しいとリクエスト。イメージは米倉さんと無謀なことを言ってみた。
「前髪も伸びてワンレングスになっているので、大丈夫ですよ。後ろはボリュームを出すとクラシカルなボブになりますが、少しすいて軽くしましょう。長さは顎ぐらいでいいですね。」
と髪型が決定。美容師さんが手際よくカットしていく。一旦乾かすと静電気が起き、髪の毛が逆立ちライオン丸になる。梅雨の多湿も辛いけど、乾燥もクセ毛には手を焼く。ボリュームダウンするため、一部すく。鏡に映るわたしの髪形は小学生のころ、おかっぱにしていたことを思い出す。その後、高校時代、20代と正統派のワンレンボブが定番だった。基本はボブは変わらない。
「もう少し軽くしますか? でも僕としてはこのままがいいな」
と美容師さんが気に入ってくれているので、
「カラー後に考えます」
と答えた。

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2008年01月28日

日々徒然

連日の寒さから解放された。先週の極寒にはカラダがフリーズしました。
今日は天気がいいので、数ヶ月ぶりにヘアーサロンに行った。お店に入ると
「少しお待ちいただくことになりますがいいですか?」
とスタッフが話す。
「いいですよ」
と、雑誌や持っていた文庫を読みながら順番を待つ。担当の美容師さんとは八年ぐらいの付き合い。わたしの髪のクセも分っているので、ヘアースタイルを変えるときは、雑誌など見ながらボリュームや長さを決まる。今髪の毛が纏まらないので、やはり切りたいと告げ、センター分けのボブにして欲しいとリクエスト。イメージは米倉さんと無謀なことを言ってみた。
「前髪も伸びてワンレングスになっているので、大丈夫ですよ。後ろはボリュームを出すとクラシカルなボブになりますが、少しすいて軽くしましょう。長さは顎ぐらいでいいですね。」
と髪型が決定。美容師さんが手際よくカットしていく。一旦乾かすと静電気が起き、髪の毛が逆立ちライオン丸になる。梅雨の多湿も辛いけど、乾燥もクセ毛には手を焼く。ボリュームダウンするため、一部すく。鏡に映るわたしの髪形は小学生のころ、おかっぱにしていたことを思い出す。その後、高校時代、20代と正統派のワンレンボブが定番だった。基本はボブは変わらない。
「もう少し軽くしますか? でも僕としてはこのままがいいな」
と美容師さんが気に入ってくれているので、
「カラー後に考えます」
と答えた。

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2008年01月28日

「くらやみの速さはどれくらい」エリザベス ムーン


「くらやみの速さはどれくらい」エリザベス ムーン
470p 早川書房

幸せな日々を 送っていた自閉症のルウは、画期的な治療法が あると知らされる。


はじめ 読んでいて もどかしい感じなのだが、それが、自閉症の見た世界観が わかる 書き方だった。
読んでいるうちに ルウの世界観が、自閉症の物の見方が だんだんわかってくる。
果たして、ルウが治療を受けるのか・・・!




なるほど 「アルジャーノンに花束を」といわれるわけだ。
「夜中に犬に起こった奇妙な事件」もだけど・・・

非常に よかった。



JUGEMテーマ:読書


2008年01月28日

夕陽はかえる(霞流一)

私は「殺せ屋」だ。「殺し屋」では決してない。あくまでも「殺せ屋」である。
「殺し屋」は人を殺すのが仕事である。じゃあ「殺せ屋」は何をするかと言えば、簡単に言えば殺せ!と啖呵を切るのが仕事である。
例えば、ヤクザの組事務所に一番に乗り込んでいって殺せ!と啖呵を切ったり、内戦地域に先陣を切って乗り込んでいって殺せ!と啖呵を切ったり、まあそういうようなことをする仕事である。実に身体を張った仕事である。
多くの人の役に立つ仕事ではないと思うが、しかし多少は人の役に立つのではないか、と思ってこの仕事を始めたのである。誰しも危険を冒してまで死に向かいたいとは思わない。ならばその最も危険の高いところを肩代わりしてあげよう、とまあそう言う発想である。
しかし、この仕事、実は大きな欠点が一つだけある。
需要がないのだ。
事務所を開設して以来、あれやこれやと宣伝をしているのだが、一向に依頼がやってこない。や
やはり沖縄で事務所を開いたのは間違いだっただろうか。

一銃「はい、こちら「殺せ屋」です」

前の感想のスタイルの時も、作品の内容に応じて前書きが長くなったり短くなったりしましたが、この小説もどきでも、あまりにもやる気の出ない作品の場合、小説もどきもかなり短くなるだろうと思います。正直この小説もどきを書くのは結構大変なので(じゃあ止めればいいじゃないか、と言われるかもしれませんが)、まあ手抜き出来る時は手抜きしようと思います。
というわけでそろそろ内容に入ろうと思います。
舞台は、<影ジェント>という殺し屋が裏の世界で暗躍している日本となっています。
<影ジェント>というのは、<影ジェンシー>に登録している殺し屋で、表の顔として本業を抱えつつも、<影ジェンシー>からの依頼に応じて暗殺をこなす人々のことです。<影ジェント>として登録している殺し屋には、パン屋・医者・植木職人・野球の審判・ダンサー・元力士など様々な職種の人間がいて、それぞれの武器もそれぞれの職種に合わせたものになっています。
事件は、<青い雷光のアオガエル>という二つ名で知られる、宮大工の戸崎亜雄が、ビルの壁面の装飾に突き刺さる形で死体で見つかったことから始まります。他殺であることは明らかであるのに、どう考えても不可能な状況下で行われた殺人で、犯人はおろか犯行方法さえも不明です。
さて、その<カエル>の死をもって、東京で<東京戦争>と呼ばれるほどの大規模なバトルが繰り広げられます。それは<影ジェント>同士が争うわけですが、その理由が<カエル>の死にあります。<カエル>か近々大きな仕事をする予定があり、<カエル>の死によりその仕事が浮いてしまったので、<影ジェント>同士が闘うことでポイントを争い、その仕事を獲得しようというのです。
一方で、医者であり<影ジェント>でもある瀬見塚眠は、とある事情から<カエル>殺しの最有力候補と目されてしまいます。この騒ぎに巻き込まれたくなかった瀬見塚ですが、仕方なく<カエル>殺害の真相を探るべく探偵の真似事を始めることになります。
しかしその後、また密室という不可能状況下で<影ジェント>が殺害され…。
というような話です。
本作は、正確な順位は忘れましたが、今年度のこのミスのトップ10の中には入っていた作品です。確か6位とかそのくらいだったと思います。しかしこの作品はいかんだろ、と僕は思います。
この霞流一という作家の作品は他にもう一作読んだことがありますが、とにかく無茶苦茶で変な話を書く作家です。まあそれはそれでいいし、こういう作品が好きな人もいるとは思うんですけど、でもランキングの上位に入ってしまってはいけない作品だと僕は思うわけです。前僕が読んだ作品というのは「スティームタイガーの死走」というやつだったんですけど、その作品も当時このミスで4位ぐらいだったりしています。しかし、そういうまっとうなランキングで上位を取っていい作品では僕はないと思うので、ちょっとどうかなと思います。
あとがきで著者も書いているように、本作は本格ミステリとアクションを混ぜ合わせた作品になっています。しかし、そのどっちの部分も僕としてはちょっと不満ですね。
とにかく、アクションのシーンは僕には退屈でした。これは僕の方にも問題があって、そもそも小説でアクションシーンを読むのが苦手なんですよね。西尾維新の作品なんかにもアクションシーンが出てきたりしますが、やっぱりあんまり得意ではないです。なんで、まあこれは僕がアクションがあんまり得意ではないから、ということになるでしょう。
本格ミステリの方も、まあもともとおふざけ的な感じで考えていると思うのでいいんですけど、普通の本格ミステリが好きな人だとやっぱ邪道に見えるでしょうね。まあこれについても自分で邪道だと書いているのでいいんですけど、二つの殺人事件の解決がやっぱりちょっと無理があるよなぁとか思ったりしてしまいました。あんまりスマートな感じではないですね。
というわけで、かなり長大な作品なんですけど、僕の満足度は低いですね。バカミスと呼ばれるような、馬鹿馬鹿しいミステリが好きだという人もいるとは思うので需要はあると思いますが、あんまり一般的にオススメ出来る作品ではないと僕は思います。

霞流一「夕陽はかえる」


夕陽はかえるハード

夕陽はかえるハード

2008年01月27日

映画化――海堂尊【チーム・バチスタの栄光】

出演は竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、玉山鉄二、井川遥、田口浩正、田中直樹、佐野史郎、野際陽子、平泉成、國村隼。

監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋。

2008年2月9日(土)より全国東宝系でロードショー。


公式サイト

eiga.comの記事


■2007年12月12日、東京・成城の東宝スタジオでクランクアップ会見が行われました。

CINEMA TOPICS ONLINEの記事

バチスタ3




チーム・バチスタの栄光 チーム・バチスタの栄光
海堂 尊 (2006/01)
宝島社

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本書は文庫化されました。


チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫]チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫]
(2007/11/10)
海堂 尊

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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫]チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫]
(2007/11/10)
海堂 尊

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ちなみに私の妄想キャスティングはこちらでございます。あくまでも妄想に過ぎませんので笑ってお読み流しくださいませ。

それにしても妄想キャスティングしていた作品が本当に映画化され、吉川晃司が出演することになろうとは……よもや想像もしておりませんでした。

吉川晃司ファンの妄想読書人にとってはこの上なき喜びでございます。



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2008年01月26日

新選組血風録

新選組血風録 (角川文庫)新選組血風録 (角川文庫)
(2003/11)
司馬 遼太郎

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新撰組ものにはまっていた時に手に入れた本なのですが、とぎれとぎれに読んでしまい
かれこれ何年がかりで読んだものか…
新撰組隊士たちの短編ですが、どちらかといえば中心人物ではなく下の立場の隊士たちの話です。
それだけに近藤、土方の恐怖支配が感じられます。
なにかあればすぐに斬られてしまうんです。なんのために新撰組に入ったんだろう?と首をかしげてしまうことも。
だけど試衛館の仲間に対する思いは深いですよね。
行く末を知っているからこそなんだろうけど沖田へのいたわりは読んでいてもうるっときました。

新撰組ものを読んでいるとやはりNHKの大河ドラマでのイメージで読んでしまいます。
キャストもそのまま。

2008年01月25日

美少女(吉行淳之介)

「やっと手に入れたぞ!」
敏孝は、錠剤の入った小瓶を持って快哉を叫んでいる。中に入っているのは、毒々しいまでに真っ赤な丸い錠剤が一つ。
「これで俺もやっと透明人間になれる」
そう、その錠剤は透明人間になるための薬なのである。
初めは都市伝説のような形で広まったのだった。どこかの学者が透明人間になる薬を開発したとかなんとか、そんな類の話だった。もちろん誰も信じてはいなかっただろうが、しかしその噂は勝手に尾ひれをつけて広まっていった。曰く、透明人間に痴漢をされただとか、あるいは透明人間に商品を盗まれただとか、そういう主張をする人間が出てきたのだ。都市伝説に乗っかる形で話を面白おかしくしただけだろうと当然周りも考えたから誰も真面目に取り上げなかったのだけど、しかしそういうことがあったという話は人の口を介してどんどん広まっていったのだ。
「しかし、今から考えればあれは本当のことだったんだろうな」
敏孝が透明人間について真剣に考えるようになったのにはわけがある。新聞記者である敏孝は、もちろん透明人間の話は知っていたが、どうもその透明人間の話が出る場所に符合してある事件が頻発することに気がついたのだ。
それが、神隠しだった。まあ要するに失踪事件というわけだが。
失踪というのは事件になりにくい。事件になりにくければ新聞記者の耳にもなかなか入ってこない。しかし、いくつかの偶然と若干の飛躍のお陰で、敏孝の頭の中で透明人間の話と失踪事件が結びついたのだ。
「もしかしたら、透明人間になった人間が失踪しているということなのではないか」
そういう仮説に基づいて取材を続けていくと、ある一人の男に行き当たった。結果的にはそれが当たりで、その男が透明人間になる薬を売っていたというわけだ。
「まあいずれにしても試してみなくてはなるまい」
小瓶には注意書きがある。服用直後に意識の断絶が感じられるでしょうが、特に問題はありません、とある。なるほど。まあ早速飲んでみるか。
………
気づいた時には敏孝は道路に横たわっていた。そこは、自分の部屋のあるマンションの前の道路だ。敏孝の部屋は6階にある。あそこから降りてきたのだとすれば、結構長い時間意識が飛んでいたことになるな。などと考えてみる。
「しかしまあ何にしても、これで俺もようやく透明人間だ」
服を脱いだ記憶はないが、既に自分の身体はまったく見えない。いいじゃないか。これで何でもし放題だぜ。さて何からしようかな。とりあえず銭湯の女風呂でも覗こうかな。やっぱ透明人間になったからには外せないでしょう。まあそんなことを考えて敏孝は銭湯の方へと歩いていく。
しかし体が軽い。透明人間になるというのは、周囲から身体が見えないというだけで、物理的に何か変化が発生するわけでもないだろうに、この身体の軽さはなんだろう。普段、見かけの重さみたいなものにさらされているということなのかもしれない。俺達は、重力から受ける重さ以外に、周囲の人間の存在あるいは視線から受ける見かけの重さのようなものも感じていたのかもしれない。それが、周囲の視線がなくなったことによってなくなり、これだけ身体が軽く感じられるということなのかもしれない。身体が軽すぎて歩きづらいぐらいだ。月面を歩いたらこんな感じだろうか。
周囲の人間は誰も俺の存在に気づかない。これは最高だな。太陽も風も周りの人間の服装も変わり映えはしないのに、自分だけがただ一人ものすごい変化を体感している。この昂揚感は普通ではなかなか味わえないものだろう。
「人に教えてあげたいような教えてあげたくないような」
そんなことを思いながら歩いていた時だった。周囲への注意がかなり薄れていたということもあるだろう。もう避けられないというような場所まで車が突進してきていたのだった。
「これはマズイ」
透明人間になったからと言ってこの状況を回避できるわけがない。むしろ透明人間だからこそ、運転手にこちらの姿を知らしめる手段がない。なんとか逃げようと思うのだけど、身体が全然動かない。もうダメだ…。
思わず閉じていた目を開ける。何故か身体はなんともない。先ほどと同じ場所にずっと立っているのだ。車が俺の身体をすり抜けたとしか思えない。
「すり抜けた?」
ちょっと待て、それはおかしくないか。透明人間だからって、身体がなくなるわけじゃない。じゃあなんで今俺は助かったんだろうか。
そこでふと思いつく。まさか…。
目覚めた時俺は道路に横になっていた。俺の部屋は6階にある。透明人間になってからの異常なまでの身体の軽さ。まるで自分の身体が無くなってしまったかのような。
「まさか俺、透明人間になったんじゃなくて、ただ死んでるだけなんじゃないだろうか…」

一銃「透明人間」

そろそろ内容に入ろうと思います。
放送作家の城田裕一は、「雅」というレストランのマダム・大場雅子の「快楽コンサルタント」である。何か面白いことを仕掛けては雅子を愉しませるという、まあそれだけなのだが。
ある日雅子に透明人間ごっこというのを仕掛けてみた。三津子という知り合いの女の子を使って、三津子が透明人間になってしまったのだけど、薬を飲んだ人間には見えるというような趣向を繰り広げたのだ。その後この透明人間ごっこは別の場所で大きく流行ることになる。
さてその三津子だが、城田の紹介で「紅」というバーでホステスとして働くことになる。混血の美しい少女はしかし、しばらくして失踪してしまう。誰もその行き先を知らない。唯一の手掛かりは、三津子のお尻にあるという月と星の刺青のみ。しかしその刺青の線から、三津子の父親と思われる男を突き止めることになる。しかし、三津子の行方は知らないという。
一方で三津子の行方を追う中で、三津子のものとは別の刺青を目にすることになる。「紅」の他のホステスが、腿の内側に蜂を象ったような刺青を持っているのである。果たしてこれは三津子の刺青と何か関係があるのだろうか…。
というような話です。
さて本作は1966年に雑誌に連載された作品だそうで、だから大分昔の作品になります。まだ古典というには早いかもしれないけど、しかし僕からすれば十分古典と言ってしまっていいくらいの作品です。
そんな古い作品なんですけど、この話は面白かったですねぇ。僕は古典が異常に苦手なんですけど、この話はスイスイ読めました。文章が読みやすいし、ストーリーも面白い。最近新潮文庫が昔の絶版本を復刊するという企画をやっていて、これもその一つなのだけど、なるほど昔の作品にもやっぱり面白いものが結構あるのだろうな、と思いました。本作のお陰で、もう少し昔の作品を頑張って読んでみよう、と思えました。
吉行淳之介という作家は、性を題材にしつつ人間を描くような作風が多いようで、まあ本作も確かに性を扱っている作品ではありますけど、僕なんかはミステリとして結構面白く読めました。ちょっとした知り合いが突然失踪する。手掛かりは刺青だけ。しかし探る内に彼女のものとはまた別の刺青が出てくる。これは一体どういうことなんだろう、というような展開で、女だらけの話の中で、城田が一人奮闘します。まあ奮闘すると言っても、女性とくんずほぐれつという感じなんですけどね。
ミステリ的な展開とは言っても、やっぱりかっちりしたミステリというわけではないので、途中からミステリ的な流ではなくなったりしますが、でも最後まで謎解きの要素は残ってなかなかいいと思います。
本作では「透明人間」と「刺青」というのが重要な要素になってくるわけですが、この使い方が非常に巧いですね。特に透明人間の方は巧いと思いました。忘れた頃にさりげなく出してきたり、物語を展開させたり深めたりするためにもこの透明人間の話が出てきます。この悪戯、子どもがやったらいじめとかになりそうでダメですけど、ほどほどにやったら結構面白いんじゃないかなと思いました。
しかしこの城田という男、羨ましいものです。次々に女性をとっかえひっかえで休まる暇がありません。自分がこんな感じの男に生まれていたらなぁ、とか思ったりしますが、それはそれでめんどくさいかなとか思ったり(笑)
僕としてはかなりオススメ出来る作品です。女性でも男性でも楽しめる作品だと思います。読んでみてください。

吉行淳之介「美少女」


美少女文庫

美少女文庫

2008年01月25日

「マジック・フォー・ビギナーズ」ケリー・リンク/柴田元幸訳

マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)
マジック・フォー・ビギナーズ (プラチナ・ファンタジイ)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2007/07
  • 売上ランキング: 63578
  • おすすめ度 5.0


ケリー・リンク、初めて読みます。
最近気に入ってぼつぼつ読んでいる「奇想コレクション」のような味わいだというので、
手に取ってみました。

すっごく不思議な短編集、確かに奇想です。コンビニとか、テレビドラマとか電話ボックスとか、
普通の場所や普通の題材や普通の人達が出てくるんだけど、だんだんと不思議な世界が
顔を出してくる。そんな世界たち。
妖精のハンドバッグと、メールやらブログやらデジカメやらの現代のものとが
同時に出てくるようななんでもありの世界はすごく不思議で、わくわくと読みました。

2008年01月24日

長田渚左「こんな凄い奴がいた」★★★☆☆

著者の名前が「おさだなぎさ」だったことに驚き。
本の内容は日本人のオリンピック出場者について。

30人ほどが紹介されているのはたくさんあっていいのだが、
文庫本1冊にこれだけ収めると1人当たり5ページ以下。
いくらなんでもこの分量では少なすぎるだろう。

正月にNHKで特番があったらしい(NHK番組ページ
TVだったらもっと1人1人に深く入り込んでくれてたのかなぁ?

スポーツマンというよりは職人とでも言ったほうがいいくらい
選手達の競技とその本番の一瞬にかける精神力は凄まじい。

2008年01月24日

本屋の森のあかり 2巻(磯谷友紀)

「ねえ、アヒルさんているじゃん」
「あぁ、あのアヒルのバッグの人?」
「そうそう、あの人また来たんだよねぇ」
バックヤードで検品している時に、山本直子に話し掛けてみた。直子は文庫の担当で、英子と同じ時期に入ったので気も合うのだ。
「やっぱりおかしな本ばっかり買ってくんだ」
「いやね、おかしいってわけじゃぁ決してないんだけどさぁ」
そう、決しておかしくはないのだ。
スタッフの間で「アヒルさん」という名前で通っているお客さんがいる。何故アヒルさんかと言えば、いつもアヒルの絵のついたバッグを持って来店されるからだ。アヒルさんはもしかしたらこれまでもウチの店のお客さんだったかもしれないけど、それまでは特別話題になったということはない。「アヒルさん」という名前で呼ばれるようになったのもごく最近だ。何故そんな注目されるようになったかというと、本の買い方がなんとなくおかしいからなのだ。
「またライトノベルがたくさん?」
「それに東野圭吾とか宮部みゆきとかが一緒みたいな」
アヒルさんは40代だと思われる男性だ。きっちりとしたスーツを着て、ちゃんと仕事が出来る人間なのだなと思わせる雰囲気がばっちりである。そのアヒルさんが、ライトノベルを大量に買っていくのだ。
ライトノベルというのは、いわゆる表紙がマンガ調の中高生をターゲットにしているようなジャンルの文庫本である。もちろん最近では30代40代の男性が買っていくことも多い。しかし、書店で働いていれば、大体ライトノベルを買っていく中年男性の傾向というのは分かるつもりだ。具体的に言葉にして説明するのは難しいが、ライトノベルを大量に買っていく人にはある一定の特徴みたいなものが必ずあるものだ。
しかしこのアヒルさんの場合、どこをどう見てもそんな雰囲気とは程遠いのだ。もちろん、そういう特徴を外れた人だってそういうライトノベルを買ったりするかもしれない。でも、それでもおかしなことはあるのだ。
アヒルさんは、ライトノベルと一緒に、東野圭吾や宮部みゆきと言ったエンターテイメント系の小説も一緒に買っていくのである。ライトノベルを大量に買っていくお客さんは、他のジャンルの本を買わないという傾向がある。もちろん買うお客さんもいるのだろうけど、そういう意味でアヒルさんはスタッフの間でちょっと変だよねということになっているのである。
「昨日も来た?」
「うん、来た来た。でも買ってくのは新刊じゃないんだよね」
ライトノベルを大量に買っていくお客さんは、大抵新刊の発売日にやってきて新刊をまとめ買いしていく。しかしアヒルさんの場合、新刊の発売日であるかどうかに関係なくやってきては、新刊ではないものを買っていくのだ。これもまた不思議なもので、やはりスタッフとしてはその買い方は不自然に思えてしまう。
「何だろうね、ホント。不思議だよね」
直子はそう言って文庫の仕事の続きを始める。まあそうだ。結局のところ、不思議だね、と言って終わるしかないのだ。お客さんが本をどんな風に買っていくかなんて完全に自由だ。多少変な買い方をしていたところで、買ってくれているのだから文句を言うような筋合いももちろんない。
文庫を整理していた直子が、あれ?と声を上げる。
「どしたの?」
「いやね、昨日遅番の子にちょっと文庫の棚から売れてなさそうなものを抜いてもらったの。ちょっときつかったからね。で、ライトノベルの棚から抜いたやつで、スリップがないものがあるんだよね。まあたまにあるけどさ、やっぱスリップがないって気持ち悪いよね」
そう言ってそのスリップがないという本を見せてくれる。
「あれ?おかしいよこれ。だって昨日私この本売ったよ。ほら、アヒルさんにだよ。何でこれ今日店にあるの?売り場に2冊置いてた?」
「ううん、棚に1冊しかなかったはずだよ。えーと、それってどういうことになるんだろう?」
何だかよく分からないけど、アヒルさんはやっぱり何かおかしなことをしてるんだろうか。
バックヤードにスタッフが一人入ってくる。
「アヒルさんが今文庫の売り場にいるんですけど、ちょっと変なことしてるんです」
直子と英子はその話を聞いて売り場へと出て行った。
ライトノベルの棚の前にアヒルさんはいた。アヒルさんに見つからないような位置に立ってアヒルさんを観察する。いつものようにアヒルの絵のついたバッグを持っている。アヒルさんは棚から文庫を抜き出してパラパラめくっている。時折落ち着きなく周囲を見回している。こういうのは万引きをする人間に多い動きだけど、でも別にアヒルさんは万引きはしていないだろう。あれだけ本を買っていて万引きをする意味がよくわからない。
するとアヒルさんは奇妙な行動をした。本に挟んであるスリップを抜き取って、文庫だけそのまま棚に戻したのだ。そしてさらに、アヒルのバッグの中から文庫を一冊取り出し、その文庫に先ほど抜き取ったスリップをつけているのだ。
英子は直子の顔を見た。直子もよくわからないという顔をしている。ただ、この状況は放置しておいてはいけないだろうということぐらいは分かる。二人でアヒルさんに近づく。
「あの、失礼ですが何をされているんでしょうか?」
そう声を掛けた途端、アヒルさんは諦めたようだった。私たちが店員であることを認め、そして素直に状況を話してくれた。
「申し訳ありませんでした」
そう言ってアヒルさんは頭を下げる。売り場でそんなことをされても困ってしまうので、ちょっと汚いけどアヒルさんをバックヤードに案内してそこで話を聞くことになった。
アヒルさんはバックヤードでも再度頭を下げて、そしてこう切り出した。
「息子がこちらの書店で万引きを繰り返していたんだそうです。それを私が知ったのが2週間くらい前でした」
また頭を下げようとするアヒルさんを押し留めて、とりあえず話の続きを聞く。要するにこういうことのようだ。
息子が万引きをした本はかなりの冊数に上る。本来であればお店と警察に伝えるべきだろうと思いはした。しかし、量が量ということもある。あまり穏便には済まないかもしれない。息子も来年には受験を控えている。内申点に響くようなことは出来れば避けたい。
だから、万引きをした本に対してお金を払うことでなんとか解決できないか、と考えた。自宅にある本をバッグに詰めてここにやってくる。売り場を回って、売り場にある本からスリップだけをいただいて、家から持ってきたその本をレジに持っていく。もちろんそれで盗んだという事実が消えるわけではないということは分かっていた。しかし、息子のことも考えた時に、なんとかこの方法でごまかせないか、と思ってしまいました。
「大変申し訳ありませんでした」
そう言うってアヒルさんは話を締めくくった。
事が事なので店長に対応をしてもらった。やはり警察に連絡をすることは避けられないようだ。ただ、店長が最後に言った言葉が英子には印象的だった。
「本を盗んだこと自体は褒められたものではないけど、転売するんじゃなくて自分で読んでいたようだから、それだけは救いだよね」
悪いこととは分かっていても、本好きは本を盗んででも読みたいみたいな部分は少しは理解できてしまうのかもしれないと英子は思った。

一銃「アヒルさん」

自分の中では久々にそれなりにまともな話になったのではないかと思います。本当はちょっと別の話を考えていて、同じ本をいつも探しに来る二人の話を誘拐なんかと交えながら話にしようと思ったんだけど、どう考えても成立しないので諦めました。
この万引きの話の下敷きになるような出来事が最近ありました。この前お客さんが自分のバックから雑誌2冊を出して、「これの会計をお願いします」と言ってきました。何でも話を聞いてみると、その2冊の雑誌は入口付近に置いてあったものなんですけど、そのお客さんは無料の情報誌だと勘違いして持っていってしまったのだそうです。無料でないということに翌日気づいて、お金を払いにきた、というわけです。そんなの初めてだったんでびっくりしました。
まあそんなわけでそろそろないように入ろうと思います。
本作は、コミックkissという女性コミック誌に連載されている、書店を舞台にした恋愛小説と言った感じの作品になっています。あるチェーン店の地方店で勤務していた高野あかりという女性が転属になり、東京の大きなところで働くようになってからの顛末を描く話です。ひと月に300冊本を読む副店長の寺山杜三のことが好きなのだけど、この杜三、本のことにしか興味がなくて、恋愛なんか全然ダメ。あかりの恋はなかなかハードルが高いのでした。
5編の短編が収録されていて、それぞれなかなか面白いです。それぞれをざっと紹介しましょう。

「戦争と平和」
商店街にある時計堂という独特の品揃えの本屋さんのお話。書店が厳しく、しかも万引きも多い中で、いかにしてこの時計堂を残すことが出来るだろうか、という話。

「ドリトル先生と月からの使い」
副店長の杜三はなんと象を今まで一度も見たことがなかった!テレビもないし、動物園にも行ったことがなく、図鑑でしか見たことがなかったらしい。そりゃいかんというわけで無理矢理動物園に連れて行くことになりますが…。

「千一夜物語」
サイン会をすることになって準備に追われるあかりだけど、打ち合わせでやってきたその作家は何だか高飛車。副店長とも何だか知り合いみたいだけど、なんか苦手だなこの人…。

「寒山落木」
サービスカウンターに配属になったあかり。亘くんという、本は全然読めないけど仕事はとんでもなく出来るアルバイトの子をつけてもらってなんとか頑張るのだけど、あるトラブルが…。

「雪の女王」
仕事は出来るけど無愛想な同期の加納緑と一緒に、東北でオープンするお店の開店準備のために一週間派遣されることになりました。開店準備に大忙しのあかり。しかしふとした疑問があって…。

というような感じです。
僕が本屋で働いているからということもあるのだけど、やっぱこのコミックはいいですね。このコミックでの舞台となる須王堂書店というのはかなり規模の大きな書店で、だからウチとは共通しないこともたくさんあるんだけど、でもやっぱり書店の話というのは読んでて楽しいですね。僕はやっぱり本と本屋が好きなんだなと思いました。
今回の話で一番好きだったのは「寒山落木」ですね。サービスカウンターで働く亘くんがホントに仕事が出来て、ウチにもこんなスタッフがいれば…、と羨ましくなる感じでした。本が読めないというのも面白いですね。本が読めないから、わからないことがあったら誰かに聞く。自分が知識を持っていなくても、誰に聞けば分かるのかさえきちんと把握していれば仕事は出来る、ということの好例とも言えるスタッフですね。話自体も、スタッフとお客さんのどっちが悪いというわけでもないトラブルが起こっててんやわんやするんですけど、こういうトラブルはホント困ってしまいますね。こっちが明らかに悪ければ申し訳ないという感じになるのですが、避けようのないミスというのもあるわけで、そういう場合何だかやりきれない感じになります。
僕も同じようなトラブルがあったらこの亘くんと似たような対応をしてしまうと思います。もちろん、最善ではないけど最適な対応だと僕は思うし、現状の書店のあり方としてはそう対応するしかないのだけど、もちろんお客さんとしては納得するわけがないですよね。とにかくこの話のラストではちょっとうるっときましたね。
他の話もどれもいいですよ。3巻の発売予定も決まったそうです。また買わねば。書店コミックの金字塔と言えば「暴れん坊本屋さん」ですが、本作はまた違った意味で楽しめる作品です。本が好き、本屋が好きという人は読んでみてください。

磯谷友紀「本屋の森のあかり 2巻」


本屋の森のあかり2巻 コミック

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