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2007年02月28日

「レインツリーの国」有川浩

レインツリーの国発売元: 新潮社価格: ¥ 1,260発売日: 2006/09/28売上ランキング: 22161おすすめ度 posted with Socialtunes at 2007/03/01 「図書館内乱」で重要な本として出てくる「レインツリーの国」という本が、 「内乱」を飛び出して、ついでに出版社を飛び出してコ...

2007年02月28日

2007年2月のマイ・ベスト本

新年が始まったと思ったら、早くも2月が終わります! 光陰矢のごとし。 さて2007年2月のマイベスト。 今月は面白い本との出会いが多かった。 迷いに迷った末、綿矢りさ【夢を与える】に決定。 夢を与える綿矢 りさ (2007/02/08)河出書房新社 この商品の詳細を見る ラストシーンがヌルッとくるよ。りさたんの凄さを思い知りました。

2007年02月28日

中山可穂【感情教育】

カミソリを素手で握りしめるような痛みだな、これは。

とっとと握りしめてるものを離して、消毒して包帯まけよ! 見ている側はそう言いたいが、握ってる本人は手をうまく動かせず、血ばっかりダラダラ流れて……。

手を動かせないところに心を寄せ、「なにか深い事情があるんだな」と思える人には感動できる本。

逆に、「カミソリを握るのも離すのも自分自身の意志だよ。なんか滑稽……」と思う人は無理して読まないほうがいい。



まず「那智」と「理緒」という女性2人の生い立ちが語られ、2人が出会って愛が生まれ、周りの人々に迷惑をかけて、それでも消えない愛に生きる方法を模索する姿を描く。

2人とも家庭環境が複雑で、子供のころに傷ついた心をそのまま抱いて大人になった。職を得て親元を離れ、自活し始めたのはいいが、恋愛となると不器用きわまりない。

本心を隠したまま――というか、自分でも自分の本心がよくわからないまま、男性遍歴をかさねて無意識に自分を傷つける那智。

ビアンであることを早くから自覚していたものの、自分の想い人には想われず、想わぬ人から想われて、片恋の痛みに沈む理緒。



こういう2人の間に生まれた愛は、一般的には同性愛というカテゴリーに分類されるが、おそらく那智に必要なのは大きく包み込むような「愛」で、男女の性差はあまり意味がないのかもしれない。

しかし「どっちでもいいわ」という曖昧さは、時と場合によっては罪深い。

その点、理緒は自分の求めるものがはっきりしていて、まあ世間の無理解や片恋の痛みはあるものの、これが私の生き方だから仕方ないと開き直ることもできる。理解のない人間からは離れればいい。

那智の場合は男性と結婚し家庭を持った後で、ようやく自分の本心に気づいたから話は厄介になる。



自分の心を周囲の状況に合わせて生きてきた那智が、今度は心のままに生きようとすると、解決すべき問題や背負わなければならない荷が、あまりにも多いのだ。

那智は愛を貫き通せるのか。理緒は愛する人の手を離さずにいられるのか。

他の作品と同様、激しいストーリーです。中山さん。



感情教育 感情教育
中山 可穂 (2000/02)
講談社
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2007年02月28日

佐藤亜紀【バルタザールの遍歴】

貴族の末裔である双子の兄弟が、酒と女に溺れて没落していく話――と言ったら、みなさんドン退きですか。

いや、これは面白いです。著者の発想の豊かさに敬意を表したい。



「双子だ」と思ってるのは当人たちだけで、周りの人々は彼らが双子だとは少しも思っていない。彼らを心から理解しているのは、いとこのマグダレーナと、義母のベルタルダだけ。

なぜこういう状況なのか。それを知りたい方は本書を読みましょう。



しかし貴族ってのは落ちぶれていく様も実に優雅。

そして悲壮感が薄い。この兄弟、ボロを着てても顔はイケメンなので、ぎりぎりのところで救いの手をさしのべてくれる女性が登場する。それを自分でわかっているから、どうにかなるよ、と心のどこかで思っているのかも。

こういう男性とはお近づきになりたくないけれど、小説で読むのは面白い。

双子の視線と意識が絡み合うようにして話が進み、読んでいて混乱するけど、それもまたよし。



作者は書いてて混乱しないんですかね? するわけないよね、単細胞な私と違うもの……。



バルタザールの遍歴 バルタザールの遍歴
佐藤 亜紀 (1991/12)
新潮社
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2007年02月28日

吉田篤弘【フィンガーボウルの話のつづき】

私にとっては究極の「おいしい空気本」。



とにかく本書ではストーリーよりも空気を味わいたい。そんな短いお話がいっぱい詰まってる。

読み終えてしまうのが惜しい気がした。

ベッドサイドに置いといて、眠る前に少しずつ読むのもいいかも。



……というわけで、あまりゴタゴタ説明するのも野暮なので、これにて失礼。



フィンガーボウルの話のつづき フィンガーボウルの話のつづき
吉田 篤弘 (2001/09)
新潮社

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2007年02月28日

「文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。」千野帽子

文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。発売元: 河出書房新社価格: ¥ 1,680発売日: 2006/10/17売上ランキング: 57943おすすめ度 posted with Socialtunes at 2007/02/28 「ガーリッシュ」に限定したブックレビュー。 ガーリッシュの定義はこの本では、私の理解では...

2007年02月27日

司馬遼太郎「木曜島の夜会」★★☆☆☆

歴史小説集、表題作の舞台は木曜島(wiki
(もくようとう・オーストラリアとニュージーランドの間にある)という場所。
そしてそこで第二次大戦頃まで活躍した日本人ダイバー達のお話。

他の作品もそうなのだが、歴史的にマイナーな人(木曜島についてはほぼ無名の人たち)
について書かれた作品ばかりなので、歴史的な背景を解説する部分の割合がとても多い。
そのために人物について書かれている割合が少なくなり、
タイトルになっている人物についての小説としてはそれほど面白くない。
ああ、こんな時代にこんな人もいたのだなぁという程度であった。

収録作

木曜島の夜会
有隣は悪形にて
大楽源太郎の生死
小室某覚書




司馬 遼太郎 / 文藝春秋(1980/09)
Amazonランキング:213104位
Amazonおすすめ度:

2007年02月27日

飯嶋和一【神無き月十番目の夜】

暗い色あいの表紙にホラー的な雰囲気が漂うが、中身は歴史小説。

冒頭部はリズム感のよい文章なのに、なぜか私の目は文字を上すべり。情景が頭に浮かびにくい。これは私が歴史をろくに知らないのが悪い。文中の固有名詞が、地名なのか人名なのか、はたまたお役人の役職名なのか、よくわからないのだ……。ああバカまる出し。やむなく電子辞書の助けを借りた。

そうして闇をかきわけるように読み進むと、まるでモノクロ画面にだんだん色がついていく感覚で、はっきりと情景が見えてきた。おびただしい血、累々と折り重なる無数の死体。そして死肉をむさぼる黒いカラスの群れ。



慶長七年(1602)、小生瀬という山あいの小さな村で人々が一斉に姿を消すという奇怪な事件が起こった。

徳川家康が関ヶ原の戦で勝利したのが慶長五年(1600)、江戸幕府を開いたのが慶長八年(1603)。豊臣から徳川へと時代が大きく移り変わる節目に事件は起こり、小生瀬の村ひとつが歴史から消えた。

人々が豊かな暮らしを営んでいた小生瀬で、いったい何があったのか。そこが気になって仕方なくて、やや取っつきにくさのある冒頭部を乗り越えた後はページをめくる手が止まらない。

猛スピードでたどりついたエンディングには、ひしひしと無常感が漂っていた。



事件前の小生瀬村は、穏やかで色彩ゆたかで、まるで宮崎駿のアニメ作品に出てきそうな理想郷である。

そんな村を崩壊させた犯人は誰なのか。本書を読んで「こやつとあやつが悪い」と指をさすことも、できないことはない。では「こやつ」と「あやつ」がいなかったら、はたして村は理想郷のまま永遠に存続しつづけただろうか?

人は良くも悪くも変化を求める生き物で、変化の積み重ねの上に私たち現代人の暮らしがある。いくら小生瀬が理想郷でも、そのころの暮らしを私たちがそっくりそのまま受け継ぐことはできない。

小生瀬村は、いくつも想定しうる変化パターンの中で最も残酷な道をたどり、そもそもの道の選択を変えることも、道の途中で引き返すこともできなかった。冷たい言い方になるが、行き着くべきところへ行き着いてしまったのだと思えてならない。



本書を映像化するならば……血なまぐさい要素が多いので、実写では無理かも。本当に宮崎監督がアニメ化してくれたら面白そうだが、小さなお子さんには見せられないなあ。


神無き月十番目の夜 神無き月十番目の夜
飯嶋 和一 (2005/12/06)
小学館

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2007年02月27日

「心にナイフをしのばせて」奥野 修司

「心にナイフをしのばせて」奥野 修司 271p文藝春秋  1969年春、川崎の私立男子高の一年生が 同級生に殺されるた。被害者は めった刺しにされた上、首を切断されていた。神戸で「酒鬼薔薇」事件が起こる、28年前のことだ。 本書は、、被害者遺族を襲った悲...

2007年02月26日

ウフ.2007年3月号

ウフ.2007年3月号著:「ウフ.」編集部出版社:マガジンハウス定価:250円livedoor BOOKS書誌データ / 書評を書く _uacct = "UA-918914-3";urchinTracker(); マガジンハウスのPR誌「ウフ.」の3月号です。 今回は面白かった。 ほしよりこさんの日記では、喫茶店での一場面に激しく同意。 相席となった人たちの会話に引き込まれて

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