TOP>2007年01月

2007年01月26日

「噂」荻原 浩

「噂」荻原 浩 492p新潮社 香水の新ブランド「ミリエル」の売り出しに 女子高生の口コミを利用しようと、開始した。 その噂の一つに、「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、をつけてると狙われないんだって」と言うことも付け加えら...

2007年01月25日

朗読者 ベルンハルト・シュリンク

オンライン書店ビーケーワン:朗読者

<君がぼくの中でぼくが君の中で

15歳の少年ミヒャエルは、ふとしたことで21歳年上のハンナと出会う。逢瀬の度に本を朗読するミヒャエル。しかし、その後ハンナは突然、失踪してしまう。なぜ、彼女は失踪したのか。

この作品は三部構成になっています。一部は、ミヒャエルとアンナの出会いと別れ。二部は、なぜ別れることになったかという事実。三部は、成長したミヒャエルとハンナの現在。

一部は、その淡い恋の萌えるような気持ちと欲望、その終焉が切なく書かれています。これが絶品。恋をしていなくても、していても、誰もが持っていた気持ちが実に巧みに書かれています。
そして、二部に訪れるカタストロフィーとその事実。
あー、ハンナこそ、何という厳しい現実を生きていたのか。一転、ドイツの抱える現実に絶句します。恋愛小説から、戦争小説になってしまうんです。
三部は、成長したミヒャエルとアンナの再びの人生。

あの時、15歳、愛した現実を確かめたくて、ハンナという人間を確かめるために、ミヒャエルは最大限の事をしていくんですね。15歳の時のように、朗読者になって。
今、書いているこの時にも、涙がこぼれてきます。悲しくやるせないです。
貧しいという事実に、容赦なく襲い掛かる歴史とその現実。ハンナのプライドと努力。それは最後まで、物語を貫いています。

「なぜ、会う度に本を朗読させるのか」それが、タイトルどおり、本書のキーワードになっています。
しかし、賢明な読者にはわかりますよね。わかっていても、心に沁みるんです。
最後まで読んだ時、15歳のミヒャエルに返って、もう一度読み返したとき、悲しさは倍増して返ってくるんですね。あの時のあの光景は、こうだったからとわかってくるんです。

この作品は、発売当初から、話題だったんですが、とある機会を頂いて、読むことになりました。
過去と現在、恋と人間のつながりを考えさせられる、そんな切ない1冊です。
【新潮社/:[:読書:][:読書:][:読書:][:読書:]】


2007年01月25日

YMOにミゾオチワクワク

YMOがいなかったら、現在のわたしの違っていたと思う。
それだけ大きな影響を受けたYMO。
数年前にアルバムが再発したときの販促グッズの『OMYDE』が、一般発売になる。当時のことを振り返るロングインタビュー。
YMO『Yellow Magic Orchestra』。


Yellow Magic OrchestraYellow Magic Orchestra
アスペクト

アスペクト 2007-01-23
売り上げランキング : 240

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



さらに2月からキリンラガーのCMに出演。
このビョーキは治らない。

2007年01月25日

恋いちもんめ

恋いちもんめ宇江佐 真理 (2006/09)幻冬舎この商品の詳細を見る 両国広小路の水茶屋の娘お初は、兄が病弱だったために幼い頃は里子に出される。 里親の死によって実家に十七の時に戻るが、甘やかされて育った兄はわがまま放題だった。 ある日、縫い物の師匠から青物屋の栄蔵との見合いの話を持ちかけられる。 その気のないお初だったが、栄蔵と会ううちに淡い恋心が芽生える… 久々に宇江佐さん読

2007年01月24日

「カンバセイション・ピース」保坂和志

カンバセイション・ピース発売元: 新潮社価格: ¥ 1,890発売日: 2003/07売上ランキング: 65439おすすめ度 posted with Socialtunes at 2007/01/24 先日もどこかで書いたが、大学の時、男友達に保坂和志氏の「この人の閾」を勧められ、読んだ。 日常がずっと続いていて、読...

2007年01月23日

「太陽の塔」森見登美彦

太陽の塔発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2006/05売上ランキング: 10470おすすめ度 posted with Socialtunes at 2007/01/23 華のない大学生活、唯一出来た彼女であった水尾さんにあっさり振られてしまった私は、 それから「水尾さん研究」にいそしむ。しかしこれは崇高...

2007年01月23日

「裁判官はなぜ誤るのか 」秋山 賢三

「裁判官はなぜ誤るのか 」秋山 賢三 204p岩波書店 目次 第1章 裁判所と裁判官の生活 第2章 刑事担当の裁判官として 第3章 再審請求を審理する—徳島ラジオ商殺し事件 第4章 証拠の評価と裁判官—袴田再審請求事件 第5章 「犯罪事実の認定」とは何か...

2007年01月23日

一ノ瀬泰造「地雷を踏んだらサヨウナラ」★★★☆☆

一ノ瀬泰造(公式)、 30年以上前にカンボジアやベトナムで活躍した戦場カメラマン。映画版(公式)は浅野さんが一ノ瀬泰造役。 文庫の方は、戦場から日本へ日本から戦場の泰造へとやり取りされた手紙と、戦場で書かれた日記、 撮られた写真を時間にそって並べられた形になっている。多少読みにくい。家族宛、恩師宛にほとんど同じ内容の手紙を送ったりもしているので。 思っていたよりも暗くない。戦場近くの町

2007年01月22日

空色ヒッチハイカー

著:橋本 紡出版社:新潮社定価:1470円(税込み)空色ヒッチハイカーlivedoor BOOKSで購入書評データ _uacct = "UA-918914-3";urchinTracker(); 十八歳の夏休み、兄が残した古いキャデラックに乗り込み、九州に向かう彰二。 旅は道連れとヒッチハイカーを乗せて走ることに。 相棒となった口は悪いが美人の杏子ちゃんを乗せ、車は南へ

2007年01月22日

通天閣 西加奈子 

オンライン書店ビーケーワン:通天閣

<ゆっくりでええから、坂上ろう。通天閣が見えるから>

人と関わり切れない。壊れた時計に囲まれた生活。夢すらなく、ただ毎日、工場で働く男。恋人のマメと遠距離恋愛を余儀なくされ、スナックに勤める女。そんな二人に通天閣は優しく問いかける。

この作品でも、西さんは上手いことを痛感しました。関わりを避ける男と、恋人が去った後、「わたしたち別れたわけではない」と信じている女。そんな男と女の日常を、淡々と書いていきます。この手法は西さんお得意ですよね。これが、可笑しい。例えば、男がいつも行く、中華店。女の勤めるスナックの人々。
それは、けっして明るいものではなく、読んでいるうち、どうしようもない気持ちになっていくんです。どこまで落ちるのかという気分なんですね。

しかし、この男の中に、女の中に確かに自分がいるんですね。ぐうたらな男の生活や、
恋人と別れても信じている女の心の会話の中に。それだけ、この会話が印象的。大阪弁も効いています。

ふたりの日常が積み重なった、ラストは二人がいつも見ている通天閣。この時、二人の人生がシンクロします。そして、事実が分かるんですね。巻き込まれた事件に、
会話が実にいいんです。そうきたか!と膝を打ち、なぜか涙がこぼれている。
まんざら、人生も捨てたもんじゃないと思えてくるんです。

本当に、西さんの手腕にやられましたねー。
通天閣に上って恋人と別れた傷心の女に。スナックのママが励まして言うんです。
「ゆっくりでええから、坂上ろう。綺麗な通天閣が、見えるから。いつか、この高みから、いつかの自分を、見下ろせる日が来るから」
それを聞いて女は思うんです。「ガラスが汚い。この窓拭きたい」と。きっと涙でガラスが曇って見えないんですよ。
上手いですねー。こういう描写。
窓を拭きたいというのは、前段があるんですよ。ちゃんと、つながっている。

この二人の人生の続きが読みたい。どうシンクロするんでしょうか。きっと、男は時計に囲まれ、女は寂れたスナックに働いているんでしょうね。
【筑摩書房/[:時計:][:時計:][:時計:][:時計:]】

【広告】

サイト内検索

メンバー紹介

このサイトに自分のブログを載せたい!
(ブログの登録は無料です。)


アーカイブ