あすなろBLOGカンファレンス「スタート×キッカケ×ブログ」が先日秋葉原にて行われたので、参加させていただいた。「あすなろBLOG」は、エンジニアやIT会社のマーケティング担当など、IT関連の執筆者によるブログを集めたサイト。運営しているのは、ITに専門特化した人材サービスを行っている株式会社パソナテック。当イベントは「あすなろBLOG」開設2周年記念イベントとして開かれたのだが、お目当てはパソナテックのフェローも勤める、現在はシリコンバレーのコンサルティング会社Blueshift Global Partners(ブルーシフト・グローバル・パートナーズ)の社長である渡辺千賀氏の講演だ。
テーマは「スタート×キッカケ」にフォーカスした、「きっかけを自ら作り出し、変化を起こすための7つのルール」
1. 実力発揮の場を作る
「きっかけ」は外から降ってくるものが多い。そのためにはなるべく多くの人に自分ができることを知ってもらうことが大事。自分の力を見せないと、誰にもみとめられない。チャンスを発揮できる場を作る。評価されるには「きっかけ」を利用し、他の人に貢献すること。人がなにかを必要としている場で、ボランティアとか、オープンソースで協力する。チャンスは自分で作り出すというよりは、外から与えられるもの。外部から訪れるきっかけとなるのが、ブログでもある。
2. 一期一会のチャンスを掴む
そもそもチャンスが一期一会であると認識することが前提になければならない。迷ったら20代の間は選択しが広がることを選び、自分の専門分野を極める。30 代は本腰を据えて、専門性を作り、磨くことに専念する。日常の中で小さな新しいことに少しずつ挑戦しつづけて「挑戦癖」を付けることで、チャンスはパッと掴める。
今むずかしいと思う変化は、将来にはもっとむずかしい。五年後に較べて今やりやすかったら、すぐに実行する。恐怖の源は単に「親しみがない」だけなことも多い。自分の将来のキャリアについて怖いと思ったら、よく知ってみる、研究してみる。うまくいくことをしっかりと考える。
3. 「前向きなあきらめ」の達人になる
古いモノを手放さなければ、新しいモノは掴めない。主語を変えてみることで、他人に不平を言うのではなく、自分の問題としてどう変えるかを主体的に考える。例えば、嫌な上司と思ったら、主語を「わたし」に変えてみる。「わたし」は上司に嫌なことを言わすのを許している、それでいいのか。私のことと考え、私ができないことは諦める。問題点の改善にむだな時間を使わない。失敗したら、成功で上塗りすればいい。こちらの方がずっと楽である。そして、自分がいなくても会社も世界も周ることを理解する。
4. 孤独に慣れる
新たしいことにチャレンジするとき孤独な常につきまとう。変化すると、今までの仲間から仲間外れにされる。一瞬、孤独になる。それを怖がってはいけない。変化を実現するには、人といない喜びを見出し、1人でいる時間を大切にする。孤独になることで、ネットワークに依存しなくなる。そして、人の判断を気にしない。人の評価を聞かない、批判されても耳をふさぐべし。
5. しない公開>した後悔
して後悔することよりも、しなくて公開することの方が圧倒的に多いことを知る。何もしない間に過ぎていく時間、しない間に過ぎていく時間が怖い。与えられたチャンスをちゃんと仕事に貢献しているか。どんな場面でも自分の力を発揮しつづけていると、他の人が必ず見てくれている。自分の力を発揮していればリカバリーが可能。
6. 大きな理想と小さな達成でやる気をキープ
3 年語、5年語の自分をイメージしても未来は不確実なため計画的に行えない。大きな理想とは、こういうタイプの人間であり続けたいと、漠然とするイメージ。小さな達成感、ライフハックのこと。「こうありたい」という漠然とした自分の将来像と「今日できる事」を片付けていくこと。
7. 運の流れに逆らわない
運こそがチャンスであり、波が来たときは大きく賭ける。運が悪くてもあきらめずに遂行する。淡々とちょっとつづやる。また次の波が来るのを待つ。
渡辺氏の講演は、僕がこれまで学んだ経営者やプロフェッショナルの仕事観がギュッと凝縮された1時間だったように思えた。「前向きなあきらめ」の達人になるというルールの「自分がいなくても会社も世界も周る」という概念は、株式会社はてなの代表取締役・近藤淳也氏が2006年にはてなに入社した技術者に宛てたメッセージでもある。下記がその一部だ:
■はてなに入った技術者の皆さんへ - jkondoの日記
「当たり前ですが、どんな世界も自分が何かを始める前は自分が居ない状態で回っています。しかも、そこそこちゃんと回っているのです。何か新しい事を始める時、「その世界はあなた無しでもちゃんと回っている」状態から出発する事を忘れないでください。極端な話、「自分が生まれなくても地球は問題なく回っていた」のです。新しい領域に挑戦すると言う事は、自分が不必要な状態から、自分が必要とされる状態への変化を、自分の力で起こすという事なのです。」
上記のメッセージは、技術者志望で現在の会社に就職した僕にとってこれ上ないアドバイス、そして行動指針になっている。そして、「した後悔」では以前ブログでもご紹介したNHKプロフェッショナル仕事の流儀にも出演された生物学者・長沼毅氏の仕事における流儀である。思い込みを捨て、思いつきを拾う。なぜなら思い込みをすると、何かを得るチャンスを減らしてしまうからだ。その思い込みこそが、「ひらめき」の原点であり、思いつきにこそ意味があるのだ。博打みたいに、博打をするだけの価値がある変化を求めているのならば、一か八かの勝負に挑まなければならない。
「結局人間、後悔するわけだよね。しなかった後悔と、した後悔。だったら、した後悔のがいいかなってね。」 - 長沼毅
最後に、非常に印象的だった言葉を記す。それは、過去の自分も友も捨て、国も捨て、1人でシリコンバレーで起業した渡辺氏の人生観がそのまま反映されている一文だ。
「変化とは、今まで慣れ親しんだ周りから1人出て行くことです。」 - 渡辺千賀
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