YouTube共同創設者のSteve Chen氏が先日の講演会で言っていたことだが、YouTubeのユーザーは互いに小規模なコミュニティを形成し、エンターテイメントを目的とした用途としてだけではなく、社会的なメッセージを込めたビデオをも配信しているという。その例として、 「Free Hugs Campaign(フリー・ハグス・キャンペーン)」が紹介された。
"Sometimes, a hug is all what we need(誰しも抱きしめられたい時がある)"。フリー・ハグズはオーストラリア・シドニー市を拠点に2004年頃から始まり、2006年にはミュージックビデオにもなったインターネットを発祥の地とした社会現象である。街頭で見知らぬ人々と、ただハグ(抱擁)することで苦しみや、悲しみを少しでも和らげ、楽しさや幸せを分け与え、その素晴らしさを他の人々にも伝えて行こうという活動である。

アメリカのJason Hunter(ジェイソン・ハンター)さんが母親の死後"FREE HUGS(ハグ無料)"と書かれたプレートを持ってマイアミの海岸を歩いたのが起源だとされている。たくさんの人々を抱きしめ、どんなに"あなた"が大切であるかを伝える素敵な母親を亡くしたことで、「私たちの仕事がなんであれ、私たちにできる大切なことは、私たちが自ら歩み寄ることによって他者を助け、励ますことではないか」「親切で励みになる行動が、私たちの日常に変化を与えてくれるだろう」という大切なコトに気づき、活動を始めたという。オーストラリアのJuan Mann(ホアン・マン)さんが同じように"FREE HUGS"と書かれたプレートを持って街を歩く姿をビデオに記録しYouTubeに投稿したことで世界中にフリー・ハグズ運動が広まったのだ。
こうした現象は世界各地へと広がりを見せており、当ホームページでは続々とその様子が投稿されている動画を紹介している。しかし、日本や中国には友人と抱擁する習慣がないため、このフリー・ハグの活動が浸透していないのが現実である。そんな日本でも他人を幸せにしたいと願う人が今日も"FREE HUGS"プレートを掲げて街を歩いているのかもしれない。

最後に、YouTubeに出ていたJuan Mannさんに、「なぜそのようなことをするの?」と視聴者が聞くと彼はこう言ったそうだ。「人をにっこりさせるのは難しいけど、ハグされてるのを見たら、五人はにっこりして通っていくんだよ」と。彼にとってだけではなく、全ての人にとってハグとは、とてもシンプルにみんなを笑顔にすることができる一つの方法なんだ。
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