「どのような人でも、それ自体として完結した島のごとき存在ではない。誰もが大陸の一部であり、全体における部分なのである。」(ジョン・ドン)”ソーシャルキャピタル”の概念、その意図、その有用性について、個人レベルではなく、組織として取り組むことの大切さが書かれています。まさに今私が大事だと思っていること、実践してみているけど、うまく表現できず、壁にぶち当たり、でもなんとか成し遂げたいと思っていることです。 そもそもソーシャルキャピタルとは何でしょうか。本では下記のように定義しています。
ソーシャルキャピタルは、人々の間の積極的なつながりの蓄積によって構成される。すなわち、社交ネットワークやコミュニティを結びつけ、協力行動を可能にするような信頼、相互理解、共通の価値観、行動であるソーシャル・キャピタルによって、「自分」というプライベートな閉鎖された空間内の目的や合理性を考える個人の集合ではなく、近代理論や世界システム理論、複数の学問分野にまたがる、包括的・学際的アプローチを提供されます。つまり、個人ではなく、「組織」や「チーム」「コミュニティ」という視点から豊かさや信頼という企業にとっても、そして人にとって何よりも大事なものの価値が提供されます。そう、まさに『人』の話をしているのです。 工業化が進み、合理性・効率性、そして機械化の流れの中で、自動車会社フォード・モーターの創始者であるヘンリー・フォードは、
「(クルマを組み立てる)手が二本欲しいだけなのに、なぜ人間も一緒についてくるのだろうか」と嘆いたといわれます。人間の不安定さはフォードの組み立てラインの完璧な規則性をかき乱すものとなるからです。しかし、働くのは「人」です。不安定であり多様であり、一人として同じ人はおらず、喜怒哀楽といった感情もあります。機械のように淡々といわれたことのみ、決められたスペックのみを常に安定してこなすことなど限りなく不可能に近いのです。人を機械化して扱おうとすることには、はじめから無理があるのです。そして機械化させてしまうことで、人だから持ちうる「創造性」や「想像性」、「構想力」などの予測不可能な力を生かすことができなくなってしまうのです。 だから、人間性をきちんとまじめに考え、正面からそこに取り組んでいくことが大切なのです。私達は他のなんでもない「人」であり、「人」と仕事をし、「人」と共に生きているからです。人を大事にすることは「つながり」を大事にするということでもあります。最近では、「NQ:ネットワーキング力」とも言われるようですが、誰を知っているか、誰とつながっているかが重要になります。では、どうすればいいのでしょうか。 それは「コミュニケーション」をとることでしか解はないのだと思います。そして、「コミュニケーション」のためには「場」が大事であると思います。「コミュニティ」と「コミュニケーション」の語源が同じであることにはそれほど驚かないでしょう。出来れば「時間と空間」の同時性ももとめます。それは人であるが故です。人には五感があります。その場の匂いや雰囲気、相手の表情や息遣い、目線、身振り手振りなど全てを受け取ることができるからです。 人をいかし、創発的に何かを生み出し、育てたいから、人のつながり、つながりを起こせる場を大事にします。 すべてはつながるのです。細分化し、差別化し、アイデンティティという名の閉鎖空間に固執することを求めるのではなく、ソーシャルにつながりをもとめ、全体として、持続可能な社会を考えればいいのではないでしょうか。「魚には水が見えない」といわれます。私達にも私達が生活している場が見えないのでしょうか。 ピーター・ドラッカーは1998年にこう述べています。
社員は『資産』ではない。資産なら売却が可能だが、社員は純粋に『価値』なのである。社員という「人」を大事にし、『価値』を大事にするからこそ、会社という「場」を大事にする意義があります。会社というソーシャルな空間も「つながり」が大事です。 今後もより一層「人」をみて、「人」と仕事とし、「人」と生活していることを意識してライフスタイルやワークスタイルを考えていこうと思います。
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