先回のエントリに続き、『場の論理とマネジメント』を。
場のマネジメントには『生成』と『かじ取り』の2つの視点があります。
場は生まれ、そして場は育つ
場は作り出すだけではなく、育てるものでもあるのだと強く思いました。だからこそマネジメントなのだと思います。システム的に構造を用意するだけでは組織・人は動けず、日々のプロセスとしてオペレーショナルな情報をいかに運用していくのかも大切なのだと思います。マネジメントという言葉には「On Going」な意味も含まれるのでしょうね。
場の生成の四つのタイプとして下記が提示されています。

創発のマネジメントは極めて基礎的な準備のことです。例えば、共通言語や物理的なスペースの準備など。インフラ整備というのが正しいでしょうか。それらは基礎ときっかけを準備するだけです。そして創発として「
現場で自律的に起こること」を期待します。
設定のマネジメントは、経営者が意図をもって図のABCDを細かく規定します。仕事の内容もメンバーも人々の関係と接触パターンも決定します。その上で自由・信頼・基礎的情報共有を約束します。ある程度コントロールされた場の中で期待された成果を求めているともいえるかもしれません。
萌芽と成立という軸も面白いですよね。萌芽の創発をマネジメントするなんて、すごく矛盾していて難しく感じますが、社内ベンチャーなど考えるとイメージしやすいかもしれません。誰かの強い想いがあって、その想い実現のために場所や資金を用意する。成立させるためにさらに経営者が細かく規定するのならばそれは『育成される場』になり、教育の一環になるかもしれません。しかし経営者が出来るだけ口を挟まず、きっかけのみを準備するのならば、それは『自成する場』になり、自分たちの力で進むべき方向や仔細な内容を決めていきます。教育ママとして子供を育てるか、かわいい子には旅をさせるかの違いかもしれません(w。
また、先回のエントリでも書きましたが、場とは情報創発と情報育成のマネジメントであり、いかに情報を健全に循環させるかを考えることなのだと思います。その戦略と場の関係を示した図が下記です。

戦略が場を生み、場が情報蓄積を生みます。
1.情報蓄積から戦略へ
現実にログとして蓄積された情報を元に戦略を考えるため、実行可能性が高い戦略に従った行動をとることができます。As -Is 論からTo Be論を考える方法です。場の生成の4つのタイプから言えば『開花する場』を期待しているのだと思います。戦略を綿密に練って、情報蓄積を綿密に分析して成立をさせるのならば『設計する場』になるのでしょうか。
2.戦略から情報蓄積へ
人間は学習する存在で、戦略の示す活動を実行している間に、情報の流れがおき、自学が起き、組織が学習し、組織的情報蓄積が大きくなったり小さくなったりする
とあるように、人の潜在能力を信じ、ある意味とても人間らしく自然に経営をマネジメントする方法といえるのかもしれません。場の生成の4つのタイプから言えば『育成される場』なのでしょうね。戦略も萌芽をもう少し重要視するのならば『自成する場』になるのかもしれません。
最後に、場を考える上ですごくわかりやすい対比があります。

スポーツに例えるとアメフト(ヒエラルキー)とサッカー(場)とも表現されています。アメフトは静と動がはっきりと分かれており、そして指揮命令系統が明確です。また各々の役割も非常に分化され明示された指令を遵守することを望まれます。しかしサッカーは指揮命令系統はあるものの、その場での各々の判断が重要であり、状況を読む力、適応性、複数性が求められます。
またハーバードビジネスレビューの言葉を借りると下記も印象的です。場の重要性が非常にわかるのではないでしょうか。
「彼ら(経営者)は組織を性的な役割のヒエラルキーとして見るのではなく、プロセスのポートフォリオと見ている。そのプロセスは、現場のマネジャーたちの間に創造性と企業家精神を生み出すプロセスである。経営者の役割は、そうした企業家精神が発露できる状況(コンテクスト)を提供することにある」
(Bartlett and Goshal [1995])
ただとてもとても大切なことは、ヒエラルキー型が悪いといっているのではないのです。そんなに極端にしてはいけないです。ヒエラルキー型の良さを活かし、場の良さを活かしていくバランス感覚が必要なのだと思います。構造だけでなくプロセスも大事にする。上下だけでなく左右という横の情報連携も大事にする。マネジメントする作業が増えるように思いますが、そこであえて「創発」という人の力を信じる勇気を推奨しているのがこの本の面白さなのだと思いました。
また、ファシリテーションやコーチングに興味がある私が「場」に興味あるのも、納得していただけるのではないでしょうか(w。全ては情報のため。プロセスのため。
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