
今ではすっかり品のいいおじさんボーカリストというイメージで、さらにそれを越えておじいちゃん的な時代に突入したエリック・クラプトン。
もともと、ブルースを追求するイギリスの若者として登場し、ブルースブレイカーズ時代にレスポール&マーシャルというロックの黄金率を発明。
その後、クリームにてロックにインプロビゼーションを取り入れ、その後のロックに大きな影響を与えたエリック。
とはいえ、彼のギターは昔からシンプルそのもの。
ほとんどがフレディー・キングのフレーズのクラプトンバージョンといった感じである。
彼自身、テクニカルなギタリストを見て嫉妬していたほどのローテクギタリストの代表格であるが、それ自体がみなの憧れの的となる最高の技術であったのだ。
たとえばエディー・ヴァンヘイレンやリッチーサンボラなどもクラプトン研究者として知られるように、彼のギターはロックの基礎中の基礎となっている。
しかし、彼が本当にギターヒーローと呼ばれるゆえんはギターを離れたところに多く存在する。
まず、ルックスである。
クリーム時代の彼を見たことがあるだろうか?少し悲しげな細モテの二枚目でその顔のままギブソンで強烈なサウンドを奏でているのである。
さらにそのファッション。
各時代のセンスを取り入れ、影響を受けたアーティストとそっくりの恰好をしたり、全身アルマーニであったりしたり、突然B系だぶだぶジーンズをはいていたり。
そして何より、彼がみなをとりこにするのはその人生、生き様である。
生まれ自体にコンプレックスがあり、その後ドラッグにおぼれ生死をさまよったり、数々の美女と恋愛を繰り返す中、親友ジョージハリスンの妻を奪ったり、アルコール中毒でまた死にかけたり。
落ち着いた頃には子供を事故で失うも、50を過ぎて愛妻と子供に再度恵まれるなど・・・
われわれが学ぶべきはその壮絶な人生全てが彼の音楽として表現されていることである。
ジョージの妻とのかなわぬ恋から永遠の名作レイラが生まれ、愛息を失った悲しみから転機となるティアーズインヘヴンが生まれた。
彼の音楽は彼の人生を誠実に奏であげているものである。
彼がブルースと呼ぶ音楽は、形式のことでもなく、肌の色の違いでもなく、自分の経験に即した誠実な音楽のことを言うのだと思う。
そのルックスと生き様とシンプルなギタースタイルが彼をギター、いやロックスターとしての不動の位置をもたららしている。
昔の仲間の多くを事故やドラッグで亡くした彼に、神様は人生を通じた音楽の表現を求めているのだろう。




