私は労働組合の役員を12年間やってきました。
 もともと労働運動なんてこれっぽっちも興味なかった、というか知りませんでした。しかしそんな私がなぜその道に入って行ったかを振り返ると、仕事をしていて感じるちょっとした疑問に対し、丁寧に話を聞き、それに答えてくれる先輩がいたからだということに気がつきました。
 その人は労働組合の役員でした。

 最初のうちは会社に対し文句ばかり言ってたんですよ。そうしたら、

「じゃあ、一緒に変えていこう

 と言われ、その気になってしまった私は職場の分会長、支部役員、中央執行委員、副委員長・・・ その間には自分の会社の組合だけではなく、産業別労組(いわゆる上部団体)の役員までさせていただくことにもなり、その立場でも6年やらせてもらい(去年その役は退任しましたが…)、自分の組合の立場はそのままで現在に至るわけです。

 中央執行委員になって以降は、自分が文句を言う立場から、現場の社員ひとりひとりの意見に耳を傾け、それを持ち帰り会社と交渉し、また現場にフィードバックするという立場に変わっていきました。
 また業界全体の労働条件の引き上げや、やりがいの創出のために、他社の人たちと一緒に働きもしました。

 12年のうち、組合の専従期間は2年でしたので、残りの10年は一般の社員同様現場で仕事をしながら役員をしています。
 
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 そのうち8年は旅行の営業として国内外を添乗で飛び回っていましたから、本当によく続けて来れたものだと今振り返ると思うなぁ。
 組合の役員をやっているからと言って、営業の予算は軽減なんてされません。それでも何とかやって来れた。しかもこの間にプライベートではゴスペルミニストリーが立ち上げられ、私はリーダーに立てられて神からあふれるばかりの恵みを土砂降りのように全身に受けて来ましたから、本当に信じられないことです。
 振り返ってみると労組の活動の中では、普通に仕事だけしかしていなかったならありえなかったであろう幾多の貴重な経験をさせていただきました。
 
全国の全職場を複数訪問し、多くの組合員の話をさしで聞いたこと。

 そして時には一緒に涙を流し、時には叱咤し、時には一緒に喜び合ったこと。

 経営者とガチンこで交渉し、やりあったこと。

 交渉課題や結果を興味を持って読んで貰える様に、紙面構成を考えながらニュースを作成・発行したこと。

 仕事上ではライバルである他社の人と、産業課題の解決に向け知恵を絞りあってセミナーや会議を運営したこと。

 同じ企業グループの全く他業種の人たちと、グループ内の課題解決に向けて議論したこと。

 連合(日本労働組合総連合会)の研究グループで事例報告を行ったこと。

 活動がなかなか出来ない中小労組の支援活動をし、その会議を手伝ったこと。

 他社の労組会議で講演をさせていただいたこと。
 
 これらの経験を通し、本当に多くの方に出会い、さまざまな事を学ばせていただきました。

 実は昨日はグループ労連の積年の課題であった女性の集い、名付けて「ハッピーツイート」を開催する事が出来た記念すべき日でした。
 これは、女性が数多く在籍し、企業経営の上で不可欠な存在である女性なのに、経営陣にも労組役員にも驚くほど女性が少ないことに違和感を抱いたのが出発点となり、約2年を掛けてグループ内労組の集まりで問題提起し続けてきたことでした。
 それがようやく業種がバラバラな10労組から20名超の女性参加者を出してもらう、というグループ労連の歴史始まって以来初の画期的な会合になったのです。
 いまだに運輸、建設関係の企業は組合の役員も見事に男だけですから
 幸い私の組合では複数の女性役員がいるのでまだいいほうですけどね。

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 会合で参加者の女性たちは、普段は自分の会社のことしか分からない状態ですが、その会に参加したことで他社の制度や労働環境の生の話をそれぞれ聞く事が出来てみんな感激していました。
 それを目の当たりにして、立ち上げから関わってきた私たち古い役員はちょっとウルって来ちゃいましたね
 
 みんな聞いてもらいたい話がたくさんあるのです。でもそういう「場」がほとんどありません。
 中には電車の運転士と車掌の20代前半の女性が参加してくれてたんですが、ちょっと前までは男しか働いていない世界だった名残でいまだにトイレが男女共同だったり、仮眠用のベッドも男女兼用だったりという驚くべき現実があるということがわかりました。
 彼女たちには相当なストレスなんですが、圧倒的少数でまだ社歴も浅い彼女たちはその不満を口に出す事が出来ないでいたのです。
 こういう「場」が与えられて初めて公に口にする事が出来たということなんですね。実はこういう小さな切っ掛けが職場環境の改善に直結しているという典型的な事例です。

 さてそんなことがあり私が今強く思わされるのは、労組の活動を通しミニストリーに携わるための訓練がなされていたということです。
 これだけ長い期間こんな事をしながら、火曜日のICGCは平日の夜だというのに、活動がスタートして以来数えられるくらいしか欠席していません。スケジュールが守られているのです。

 「私」という実に不完全で不適切な人間でさえ主が用いてくださることを、痛切に感じざるを得ないのです。

 どうやら組合活動を通じての訓練機関はそろそろ終わり、主は私を次のステップに運ぼうとしておられるみたいです。
 ご自身の救いのご計画のために場を整えられる神。

 すごいです。

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