昨年、「新たな治験活性化5ヵ年計画」が公表された。

また、厚生労働省のその他の活動としても「治験のあり方検討会」「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」などがある。

これらの成果としていくつかのことが既に現れてきた。
例えば・・・・・・


●「治験中核病院」「治験拠点病院」が選定され、その期待される機能が特定され、実際に活動が始まった。

●治験コーディネーター養成研修(上級者コース)が開始された。

●必須文書が見直され、整理統合された。

●治験の依頼等に係る書式が統一された。
http://www.jmacct.med.or.jp/plan/format.html )

●GCPが改正され、外部IRBを普通に利用できるようになった。

●治験、臨床試験のデータベースを検索できるサイトがリリースされた。
( http://rctportal.niph.go.jp/ )

●多くの所で国際共同治験に関するセミナーや講演会が開催された。

・・・・・・etc




これらのことをまず評価しよう。
決して、十分に満足できるわけではないが、それでも前進は前進だ。

ところで、「治験の意義」はもちろん、新薬を世の中に出すためのデータ収集である(安全性も含めて)。
治験の意義は、この一点につきる。(ただし、「治験“参加”の意義」は患者個人、一人ひとりによって違ってくるだろう。それはそれで無論、問題無い。)
治験を活性化するためには、この「治験の意義」を理解して頂くことが医師側にも患者側にも必要だ

思うに医師が治験に積極的になって頂くためのインセンティブ、モチベーションはこの「新薬を世の中に出す」ことに没頭して頂くということしか、結局、無いのではないだろうか。

「金銭のために」治験を行う医師の気持ちも否定はしないが、それは「危うい」かつ「脆い」インセンティブだ。
金銭のために治験のデータを捏造するなんてことは絶対にやってはいけないことだが、そんなことにもなりかねない。
それよりも「新薬を世の中に出す」ことにモチベーションを感じて没頭してもらったほうが健全だ。


データ捏造で思い出したが、製薬会社のひとたちは「マスコミによる治験のダーティーなイメージ作りが治験に影響を及ぼしている」を口にすることがあるが、これは恥ずかしいことなのでやめよう!(自戒も込めて。)

何故、恥ずかしいかというと「マスコミによる治験のダーティーなイメージ作り」以上のことを製薬業界はやっていませんよ、と宣伝しているようなものだからだ。そして、それは残念ながら事実だ。

もし、マスコミによる治験のネガティブなイメージが治験の促進に本当に影響していると思うなら、マスコミ以上に製薬業界は治験の意義を正しく伝えるよう努力するべきなのだ。

ちなみに、製薬協の『チーム・治験』という治験啓発サイトがある。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/goodcomu07/index.html

このサイトは製薬協のホームページからしかリンクが張られていない。
  ↓
http://www.jpma.or.jp/

ポスターは各地の病院に貼られているらしい。
新聞にも全面広告を出したらしい。(どちらも僕は見ていないのだが。)

それにしても、『チーム・治験』のサイトを製薬協のサイトからしかいけないというのは方法を誤っている気がする。
治験をよく知らない人に治験を知ってもらおう!というのが、このサイトの目的だろう。
それなのに、製薬協のサイトからしか行けないのなら、製薬業界の人しか見ないのではないか?

一般の方々に見てもらいたいなら、ヤフーやグーグルの検索サイト、各種ポータルサイト、朝日や読売、日経などの新聞サイトなどにバナー広告やテキスト広告を出し、そこから一般の方々に観てもらうようにするのが一番だと思う。
違うかな?

目的はとてもいいのだが、その方法が間違っている。
なんだか違う気がするな。リンクを張る場所が。。。。



話をもとに戻すが、僕が治験を行う医師に求めているのは「『新薬を世の中に出す』ことにモチベーションを感じて没頭してもらう」ことだ。
そうなると、「なんだよ!製薬会社は金儲けするために治験をやっているのに、医師のほうにだけそんなことを求めるのか?!」と突っ込まれること、間違いない。

もちろん、僕は治験依頼者である製薬会社にも同様のことを求める(自分自身にも求める)。
と言うか、実は製薬会社の開発を担当している人は、それぐらい(没頭するぐらい)でないと治験を成功に導けない。

新薬を開発するということは、それだけ大変なことなのだ。(少なくとも僕は経験上、そう断言する。)

結局、日本の治験を促進する方法は厚生労働省などのお上頼りになるのではなく(もちろん、行政指導のほうがうまくいくのもあるが)、治験に関与している人のどれだけのひとが「その治験」に没頭しているか、そして日本の治験環境を良くしたいと自らの頭で考えているかにかかっていると思うのだ。

日本の治験がどうなったら「良い治験環境」と言えるのかは、それはもう、ひとえに創薬ボランティアの人権、安全、福祉の保護のもとに、治験の科学的な質と成績の信頼性を確保しつつ、スピードも遅くないということ。

海外との時間差も無く、画期的な新薬が日本で使えるようになる、そんな日本の医療現場を支えるために新薬開発ができるようになること、そんな環境が「より良い治験環境」と言えるのではないだろうか。

そんな環境にするにはどうしたらいいのか、それを一人ひとりがガンガンと知恵と行動力で試していく、それが僕の理想とする「治験のあり方にまつわる個人のあり方」だ。

あなたが、考えていることは(多分)正しい。だから、まずは怖れることなく、試してみよう!

そして、自分でできる「治験活性化計画」を考えよう。
僕ができることは、一人でも多くの優秀なモニターを育てることだ。

あなたにできることは何ですか?

大事なことは一人ひとりが「治験のあり方」を考えること。
そこからしか、本当の治験のあり方は変わらない。

僕が2008年に期待したいことは、あなたが活躍することです。



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