先週に続いて「優秀なモニター集団」についてです。
前回は「優秀なモニター」が集まっただけでは、優秀なモニター集団(チーム)に成るとは限らないという話をしましたが、ここをもう少し掘り下げてみたいと思います。
プロ野球を見ると「優秀な選手」を集めれば、それだけで優勝できる野球チームに成れないことは、もう、例を挙げるまでもなく、皆さんご存知のとおり。
例え全員が4番打者級を集めても、強力「打線」にはなりません。
「打線」は「線」なので、繋がることが大切です。
そのためには、「戦略優先」で「スタンドプレー」を抑えることも必要です。
自分ではカッコよく打ちかましたいところを「送りバンド」をせざるを得ないことも有ります。
しかし、「自信満々の優秀な選手」が勝手にヒット狙いをすることも・・・・・・。
こういう「自信満々の優秀な選手」の個々の才能を尊重しつつ、チームのために働いてもらうには強力なリーダーシップを発揮する優秀な監督が必要なのでしょう。
また、今では世界の一流オーケストラの筆頭に挙げられる「パリ国立管弦楽団(パリ管)」の有名なエピソードもあります。
昔、「パリ管」は、超一流の演奏者が揃っていたのですが、オーケストラとしての評判はいまいちでした。
それは何故かと言うと、「オーケストラ」としての練習を積んでいなかったからと言われています。
フランス人の音楽家ですから、これはもうプライドが高く、しかも「音楽センス」なんていうのは「練習」して磨かれるものではない、まして、団体(オーケストラ)として練習することなんて、意味がないと、演奏家たちは考えていたらしいのです。
そこへシャルル・ミンシュという有能な指揮者がやってきました。
彼は、徹底的に「パリ管」に「チーム(オーケストラ)」としての練習を強いました。
そして、それは見事に開花しまし、一躍、世界のトップレベルに躍り出ました。
もともと、超一流の演奏家たちの集まりですから、そのメンバーが強力なリーダーシップを発揮する指揮者の下、オーケストラとして練習を積んだのですから、当然です。
サッカーでもしかり。
とんでもなく長いパスを出す選手が優秀なのではなく、正確に味方の選手にパスを出せる選手が「サッカーチーム」における「優秀なサッカー選手」というわけです。
モニターの場合(特に日本の場合)はどうでしょう?
一匹狼的に優秀なモニターだけを集めたチームを考えてみましょう。
それぞれのモニターは自分が担当している施設については任せてくれ!と自信たっぷりでしょう。
それでは、自分の施設のことばかり考えていればいいかというと、これがそうもいかないのが現実です。
他のメンバーのために治験関連の資料(例えばQ&A集とか)を作ることも有りますし、チームの勉強会のために講師を務めることも時には必要です。
また、(実はこれが最も重要ですが)どんな時でもチームを「いい雰囲気」にすることがプロジェクトチームには必要です。
ところが、個人プレーばかりが目立ち始めて、自分の成果を相対的に上げるために、足の引っ張り合いをしやすいのが、優秀なメンバーの場合、起こりやすいとも言えます。
(本当は、そんなことをすること自体が「優秀なモニター」の定義から外れるのですが。)
多種多様な人が集まっているのが会社であり、組織であり、チームです。
お互いの才能を認め合い、受容しながら仕事をすることがプロジェクトチームに配属されたモニターには要求されます。
特に治験の場合、ひとつの治験薬の仕事が終わり、無事に申請まで持っていったら、そこでチームは解散となり、今度は、また別々のプロジェクトに配属される、という特徴があります。
こういう特殊な事情を考えると、ますます、モニターには「多くの他者」と協調して働く才能(性格、スキル)が必要となります。
そんな多種多様なモニター集団を「スーパーモニター集団」にするためには、所謂「管理職業務」だけの管理職よりも、現場での指揮官(キャプテン)のキャプテンシップが威力を発揮します。
そして、それは、現場にいる、あなたが発揮することを期待されている態度(行動、能力、スキル)なのです。(たとえ、何の肩書きが無かったとしても。)
優秀なモニター集団になれるかどうかは、あなたにかかっています。
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