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2008年01月14日

入社3年未満のモニター(CRC)の皆さんへ

あなたなら、どんな人材が欲しいですか?

新卒で入社した3年未満のモニターの皆さん(もちろん、CRCの皆さんも)、来年の4月に入社して欲しい人材はどんな人ですか?
ご自分が人事部採用課の担当者になったつもりで考えてみてください。


「熱意のあるひと」

「コミュニケーションスキルに長けているひと」

「しっかりしたひと」

「自分の考えを持っているひと」

「積極的なひと」

「真面目なひと」


どうです?
ところで、あなたはあなたが欲しい人材に該当しますか?


次に、あなたが考えた「欲しい人材」を集める方法を考えてみましょう。

どうすれば、あなたが欲しい人材を集めることができるでしょうか?
どこで、どのように学生を集めたら、効率良く欲しい人材が集まるでしょうか?
どんなうたい文句で学生を集めますか?
どんなコピーで自社を売り込みますか?


さて、その次に、今度は就職の面接試験に応募してきた学生たちを面接しましょう。

あなたが責任を持って面接してください。

どのような質問をしますか?
どのような答えを期待しますか?
あなたが欲しい人材かどうかを、どのように見抜きますか?


どうでしょう?
もし、あなたが学生なら、あなたの面接に合格するでしょうか?


ところで、なんだかんだと言っても、自分を高める方法は自分の意志でしか、決められません。
会社に入って3年もたつと、それぞれに個性が出てきます。みなさんの「素」が出てきます。

会社が用意してくれる研修にいやいや出る人もいますし、「そんなの関係ねー」とばかりに参加すらしない人もいます。
いずれも、結構。

僕たちが刈り取ることができるのは、自分が蒔いた種だけです。

人間として成長したいと思ったら、自分でそうなるよう努力するしかありません。

研修部が用意してくれるのは「機会」だけです。
人材育成などと言っていますが、「育成」なんて、おこがましい限りです。
育成なんてできません。
人間は自分で伸びるしかないんですね。

成長の道を切り開くのはあくまでもあなた自身です。



2008年01月05日

2008年に期待したいこと

昨年、「新たな治験活性化5ヵ年計画」が公表された。

また、厚生労働省のその他の活動としても「治験のあり方検討会」「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」などがある。

これらの成果としていくつかのことが既に現れてきた。
例えば・・・・・・


●「治験中核病院」「治験拠点病院」が選定され、その期待される機能が特定され、実際に活動が始まった。

●治験コーディネーター養成研修(上級者コース)が開始された。

●必須文書が見直され、整理統合された。

●治験の依頼等に係る書式が統一された。
http://www.jmacct.med.or.jp/plan/format.html )

●GCPが改正され、外部IRBを普通に利用できるようになった。

●治験、臨床試験のデータベースを検索できるサイトがリリースされた。
( http://rctportal.niph.go.jp/ )

●多くの所で国際共同治験に関するセミナーや講演会が開催された。

・・・・・・etc




これらのことをまず評価しよう。
決して、十分に満足できるわけではないが、それでも前進は前進だ。

ところで、「治験の意義」はもちろん、新薬を世の中に出すためのデータ収集である(安全性も含めて)。
治験の意義は、この一点につきる。(ただし、「治験“参加”の意義」は患者個人、一人ひとりによって違ってくるだろう。それはそれで無論、問題無い。)
治験を活性化するためには、この「治験の意義」を理解して頂くことが医師側にも患者側にも必要だ

思うに医師が治験に積極的になって頂くためのインセンティブ、モチベーションはこの「新薬を世の中に出す」ことに没頭して頂くということしか、結局、無いのではないだろうか。

「金銭のために」治験を行う医師の気持ちも否定はしないが、それは「危うい」かつ「脆い」インセンティブだ。
金銭のために治験のデータを捏造するなんてことは絶対にやってはいけないことだが、そんなことにもなりかねない。
それよりも「新薬を世の中に出す」ことにモチベーションを感じて没頭してもらったほうが健全だ。


データ捏造で思い出したが、製薬会社のひとたちは「マスコミによる治験のダーティーなイメージ作りが治験に影響を及ぼしている」を口にすることがあるが、これは恥ずかしいことなのでやめよう!(自戒も込めて。)

何故、恥ずかしいかというと「マスコミによる治験のダーティーなイメージ作り」以上のことを製薬業界はやっていませんよ、と宣伝しているようなものだからだ。そして、それは残念ながら事実だ。

もし、マスコミによる治験のネガティブなイメージが治験の促進に本当に影響していると思うなら、マスコミ以上に製薬業界は治験の意義を正しく伝えるよう努力するべきなのだ。

ちなみに、製薬協の『チーム・治験』という治験啓発サイトがある。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/goodcomu07/index.html

このサイトは製薬協のホームページからしかリンクが張られていない。
  ↓
http://www.jpma.or.jp/

ポスターは各地の病院に貼られているらしい。
新聞にも全面広告を出したらしい。(どちらも僕は見ていないのだが。)

それにしても、『チーム・治験』のサイトを製薬協のサイトからしかいけないというのは方法を誤っている気がする。
治験をよく知らない人に治験を知ってもらおう!というのが、このサイトの目的だろう。
それなのに、製薬協のサイトからしか行けないのなら、製薬業界の人しか見ないのではないか?

一般の方々に見てもらいたいなら、ヤフーやグーグルの検索サイト、各種ポータルサイト、朝日や読売、日経などの新聞サイトなどにバナー広告やテキスト広告を出し、そこから一般の方々に観てもらうようにするのが一番だと思う。
違うかな?

目的はとてもいいのだが、その方法が間違っている。
なんだか違う気がするな。リンクを張る場所が。。。。



話をもとに戻すが、僕が治験を行う医師に求めているのは「『新薬を世の中に出す』ことにモチベーションを感じて没頭してもらう」ことだ。
そうなると、「なんだよ!製薬会社は金儲けするために治験をやっているのに、医師のほうにだけそんなことを求めるのか?!」と突っ込まれること、間違いない。

もちろん、僕は治験依頼者である製薬会社にも同様のことを求める(自分自身にも求める)。
と言うか、実は製薬会社の開発を担当している人は、それぐらい(没頭するぐらい)でないと治験を成功に導けない。

新薬を開発するということは、それだけ大変なことなのだ。(少なくとも僕は経験上、そう断言する。)

結局、日本の治験を促進する方法は厚生労働省などのお上頼りになるのではなく(もちろん、行政指導のほうがうまくいくのもあるが)、治験に関与している人のどれだけのひとが「その治験」に没頭しているか、そして日本の治験環境を良くしたいと自らの頭で考えているかにかかっていると思うのだ。

日本の治験がどうなったら「良い治験環境」と言えるのかは、それはもう、ひとえに創薬ボランティアの人権、安全、福祉の保護のもとに、治験の科学的な質と成績の信頼性を確保しつつ、スピードも遅くないということ。

海外との時間差も無く、画期的な新薬が日本で使えるようになる、そんな日本の医療現場を支えるために新薬開発ができるようになること、そんな環境が「より良い治験環境」と言えるのではないだろうか。

そんな環境にするにはどうしたらいいのか、それを一人ひとりがガンガンと知恵と行動力で試していく、それが僕の理想とする「治験のあり方にまつわる個人のあり方」だ。

あなたが、考えていることは(多分)正しい。だから、まずは怖れることなく、試してみよう!

そして、自分でできる「治験活性化計画」を考えよう。
僕ができることは、一人でも多くの優秀なモニターを育てることだ。

あなたにできることは何ですか?

大事なことは一人ひとりが「治験のあり方」を考えること。
そこからしか、本当の治験のあり方は変わらない。

僕が2008年に期待したいことは、あなたが活躍することです。


2007年11月03日

CROはどこで区別化するか?

製薬会社は同業他社と、どこで区別化しているかというと、それはもちろん「商品(医薬品)」だ。

他社とは違う薬効をもつ薬、他社とは違う安全性(が高い)、他社とは違う持続性(長い、あるいは短い)というように。

もっと極端に区別化するには、これまで他社が手がけていない薬を創る、あるいは治療薬が無い分野を開拓して新薬を創製する、などだ。

では、CROはどうか?(あるいはSMOはどうか?)


ところで、製薬会社を立ち上げようとすると、言うまでも無くそれはそれは大変だ。

まずもって、新薬の玉子が無いといけないし、それに開発するにはお金も膨大に必要だ。

一方で、CROを立ち上げるのは製薬会社を立ち上げることに比べれば、圧倒的に簡単だ。

もちろん、これは「ただ立ち上げるだけ」に限定していて、立ち上げたCROを成長させるのは、難しい。

CROを立ち上げるのに必要な資源は、基本的に『人間だけ』いればいい。(あとはパソコンと電話機とコピー機でもあれば足りる。)

結局、『人間だけ』で成立しているのがCROなのだ。

そのCROでは、一体、どのように『区別化』の戦略をはかっているのだろうか?


まず、CROは『製造業』でも『販売業』でもない。CROは『サービス業』だ。

『サービス業』で他社と差をつけるとしたら『価格』、『サービスの内容』、『サービスの質』の3点となる。

ここで『価格』を区別化の手段として選ぶと、自分で自分の首を絞めることにもなりかねない。

(もちろん、妥当な価格帯というのは存在し、それを遥かに上回る価格で勝負することも、自分で自分の首を絞めることにもなりかねない。)


そうなると、残されているのは提供できる『サービスの内容』と『サービスの質』になる。

この2点で勝負するためには何が必要か?

それは『人材』だ。


ただ人が沢山いればいいという問題ではなく、他社に無い『サービスの内容』を考えられる人材と、それを実践できる人材が必要となる。

また、『サービスの質』でもクライアント(治験依頼者:製薬会社)が満足するサービスではなく、それ以上のサービスの質を提供する必要がある。

現状では、残念ながら、まだクライアントから要求される『サービスの質』をクリアするのが精一杯という感じだが(クリアすればまだいいほうで、クレームがつくぞ!というおしかりの言葉も聞こえそうだが)、いずれにしても、他社よりも一歩、前を行くためには提供できるサービスの質を考える必要がある。


クライアントが予想もしないようなサービスを提供し、リピーターになってもらう、これがCROの生き残る道だろう。

治験の仕事で、そんな『クライアントが予想もしないようなサービス』があるのか? それにそもそも、そんなことまでしないといけないのか?そんな必要があるのか?と思う人もいるだろう。


そう思う人がいても、それはそれで正解だ(僕にとっても)。

何故なら、僕が今、書いたのは「区別化」する方法なのだから。


架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

2007年10月28日

合併なんてラララララララ

最近、ある2社の合併が話題になりました。

僕は過去に合併で吸収する側になったこともありますし、吸収される側にもなったことがあります。

そんな時の僕の体験では、どんなことが起こったかを振り返ってみましょう。

まず、吸収する側になった場合は、それほど大きな問題は有りませんでした。

新しい人を受け入れるためのスペースを用意するくらいでしたね。(それほど大きな規模の吸収合併でもなかったものですから。でも、吸収された相手のほうは転勤が発生して大変だったことでしょう。)


吸収される側になった時のケースは大変でした。

まず、治験に関連するSOPをどうするか、ということが大きな問題でした。

合併するにあたり新しいSOPを作成するのか、それともどちらかのSOPを踏襲するのか、という問題です。

両者のSOPの良い点、悪い点を考慮してより素晴らしいSOPを作る、という考えもありましたが、それはそれで大変なので、結局、相手の会社のSOPに一本化する、という形で話がまとまりました。

ただし、合併する前から進んでいた治験については、基本は開発当時の(前の会社の)SOPで進めることとし、可能なところから、随時、相手の会社のSOPに従って治験を進めるということに。

そこで、僕がやった仕事としては、どの治験が前の会社のSOPでどこまでやり、どこから新しい会社のSOPで行う予定なのかを一覧表にすることでした。


次に大問題なのは、「ひと」の問題でした。

これは、僕が直接関わるような話ではないので、僕は間接的に大変だっただけでしたが、どの組織の長をどちらの会社の人間がそのポストを取るのか、という社内政治的な問題です。

例えば開発部長のポストはA社の人間がなり、薬事部長のポストはB社の人間が取った、というようなことですね。

となると、必然的にB社の開発部長だったひとはどうなるのか? あるいはA社の薬事部長だったひとはどうなるのか? となります。

また、それが下のひとたちにも波及して・・・・・・。

人間だけの問題ではなく、それぞれの社風や人事制度などにも「異文化交流」が起こり、合併してしばらくは「ドタバタ」しました。

やがて、「ひと」も「治験」も「SOP」も「モノ」も落ち着く先に落ち着いて、やっと一段落したころに、また合併の話が、というのが僕が以前、勤めていた会社の話でした。


さて、ここで一般的な話になるのですが、合併・再編成時代を生き残る方法は?

吸収先の会社に残るかどうか、という意思はもちろん、その当人の意思になります。

しかし、場合によっては、早期退職優遇制度などが発令され、暗に「あなたはこの会社では不要です」などと言われることも。

そんなとき、どうすればいいのでしょうか?

思い切って転職することです(なお、『思い切り』が必要なのは、最初の転職だけです。2回目からはそれほどの『思い切り』は多分、必要ありません。)

合併・再編成時代を「生き残る」というのは、何もそのまま会社に残ることではなく、「生物的に」生き残ればいいのです。


『ひと、いたるところに青山あり』とはよくいったもので、死に場所はどこにでもあります。

大切なのは、どれだけ「楽しんで」仕事ができたか、ということ。

それが僕たちの基本路線だと思いませんか?


2007年10月09日

必須文書は減ったか?


そろそろ、皆さんのお手元にも届きましたでしょうか? 必須文書に関する通知が。

とりあえず、私のところには届いたので、今までの必須文書とどれだけ違うのか、一個一個、チェックしてみました。

すると、あれ? この文書は無くなったのかと思ったら、別の文書の中に組み込まれている(分類上)だけじゃないの? というものばかりでした。

実質、無くなったのは治験依頼者から出す「病院の必須文書を保管する義務が無くなりました」ということをお知らせする書類と「治験薬概要書のデータもとの部署の承認を示す文書」だけ。

なんか、期待はずれだな、と思ってしまいました。


ところで、こういう場合、どういう態度をとるか、どういうふうに気持ちを持っていくかが大切になります。

日常の仕事でもほとんどの仕事が「思ったとおり」には進みません。

予定通りに進む仕事はそれだけで、成功、というほどです。


では、予定通りに進まない仕事を前にして、私たちはどういう態度になるでしょうか? なるべきなのでしょうか?

そんなとき、腐ってはいけません。

まぁ、達観(別名“諦め”)するのは致し方ないところでしょう。

とりあえず、期待どおりに進まなかったからと言って、その仕事を放り出してはいけないと思います。

そんなことをしていたら、アッと言う間に目の前から仕事が無くなります(みんな放り出すことになるから)。


物事を(組織を、個人を)改善していく場合、通常、2つの方法が有ります。

1つ目は「問題」を潰していく方法で、2つ目は「問題」は脇に置いといて、「こうあるべきビジョン」に向かうための努力をする、という方法です。


今までの治験の歴史を見ると、例えば「同意書は文書で取る」というのは「こうあるべき」というルートで、GCPに盛り込まれたように思います。

また、CROやSMOの出現も「問題だからそれを無くそう」というよりは「これからの治験はこうあったほうがいい」というビジョンのもとに導入されたのではないでしょうか?

だから、これからも「必須文書」(そう言えば、今度から「必須文書」ではなく「治験関連書類」とかそんな名前になるそうですね)のここが問題だと思って見直すのではなく、こうあったほうが、より治験の質もスピードも上がるんじゃないの?というルートで考えてみるというのはいかがでしょう?


・・・・・・・というようなことを考えてみると、「必須文書」に対する期待ハズレの気持ちも随分と前向きになります。(ならない?ならないなら、それはそれでもいいとしましょう。とりあえず)

いいも悪いも、私たちはそういう治験環境の中で生きていかなければなりません。

臨床試験(臨床研究)のサイトも一つにまとまり、まだまだ機能的には問題があるにしても、それなりに形になってきました。

「治験の活性化5ヵ年計画」や「治験のあり方検討会」などの成果が少しずつ目に見えて出てくるようになりました。

でも、大切なのは、それらの制度やシステムを使う私たちの気持ちや思いです。

希望は捨てず、目的を持って行動し、もし必要なら自分から手を挙げ、行動する、という自分なりの行動指針を持って働くと、働きやすいと思います。

何にも無いよりは、ね。

2007年09月30日

初めての仕事で不安を払拭する方法

先日、今年の新入社員に対して導入研修のインタビューをやったが、その中で「今の不安は?」と聞くと「初めて自分ひとりで施設を担当し、うまくやっていけるどうか不安」という声が多かった。

誰でも(どんなベテラン社員でも)、初めての仕事をやる場合、どうしても「不安」はある。


例えば、先日も僕は自分にとっても初めての「研修」の講師をやった。
当然だが、その研修の前は不安だ。
しかし、これまでも僕は数え切れないくらい「初めて」の研修の講師を経験してきた。
その過去の経験では、必ずしも全戦全勝ではないが、それでも「勝ち越し」くらいの経験を持っている。
そうなると、先日の研修でも不安はあるが、「なんとなるさ」という安心感もわずかだがある。

この「なんとかなるさ」という希望(と言うか開き直りと言うか)は、新人モニターや新人CRCにも必要だ。
たとえ「勘違い」でもいいから「自分はやれる、できるはず」と思うことは「初めて」の仕事をやる場合、とても重要で欠かせないものだ。

そのためにも、日頃からできるだけたくさんの経験、それも未経験な分野へチャレンジするという経験が欠かせない。

人間は普段、やり慣れたことを永遠とやっているほうが、そりゃ、楽でいい。
ただし、この場合、「成長」や「新たな達成感」は味わえない。

新しいことにチャレンジするコツは(心構えは)「駄目でもともと、失敗してもともと」という気持ちを持つことだ。
もちろん、だからと言って準備や練習をさぼってもいいことにはならない。
できるだけの準備と訓練、練習をして、その上で、「ダメモト」でやっちまえ!という勢いが必要なのだ。

この開き直りが無いと、「計画」だけはあるが、誰も「実行しない」プロジェクトが生まれる。

「完璧な準備ができないとやれない」「全ての素晴らしいアイディアを盛り込まないとやっても意味が無い」と考えてしまうと、誰も何もできないことだろう。

「完璧な予定」よりも「不完全な実行」のほうが、この世の中では意義がある、と僕は思っている。

「実行力」のある人と無い人との違いは、この辺にあるのかもしれない。

僕のように最初に実行日を公表し、それから準備を始めるという荒技もたまにはいいと思うよ。




治験専門書店(サイト版)

治験関係者におすすめの役立つ本

架空の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

モニターの勉強方法、教育方法「モニターへの道」




2007年09月22日

『治験活性化5ヵ年計画』に潜むデメリット(問題点)とメリット(活用方法)

先日の「情報機構」でのセミナーで『治験活性化5ヵ年計画に孕む(はらむ)問題点』という課題を軽く行ったが、社内でも同様のテーマで3時間ほど研修を行った。

ブレインストーミング形式で『治験活性化5ヵ年計画』に潜むデメリット(問題点)とメリット(活用方法)を抽出し、今後、自分たちは何をやったらいいのかを考える研修だった。

その中で出てきた検討結果を差しさわりの無い範囲で紹介したい。(あまり詳細を述べると「企業秘密」や「競争優位」が崩れるので、ほんのちょっとだけね。)



★まずデメリット(問題点)として上がった例は以下のとおりだ。

★『治験活性化5ヵ年計画』のデメリット(問題点)として上がった例

●「治験活性化5ヵ年計画」そのものについて

・ 病院や製薬企業関係者だけで作っていいのか? 患者団体の代表者など、患者の視点が必要なのでは?
・ 3ヵ年計画の結果が反映されているのか?
・ 欧米の治験方法を反映しているのか?
・ 主語が無い(誰がやるのか分からない)
・ もし、これでも活性化しなかったら?


●人材に関して

・ 新人のCRCが激増する⇒不慣れなCRCが増えるので対応を考える必要がある。思いもしない質問を受けることもあるだろう。
・ 初心者のCRCが増えて、GCP違反、被験者の対応が異なるようになるのでは?
・ 優秀な人材を大学病院が多い中核病院に集中していいのか?クリニックレベルを無視して治験の活性化は考えられない。
・ 医療機関のデータ・マネジャーが治験に絡んでくるのだろうか?もし絡んでくるなら、どのような形で絡んでくるのか?ただ手数が増えるだけでは意味が無い。治験の質とスピードに貢献する形で絡んで欲しい。


● CRF、書式、手続に関して

・ あらたに書式が統一されると暫く(慣れるまで)は問い合わせが増えそう。
・ 契約書は共通にならないので、効果が少ない。契約書こそ、書式を統一して欲しい。せめてネットワーク内は契約書を統一して欲しい。あるいは国立病院機構内ではせめて契約書を統一してほしい。
・ 病院(治験責任医師)が本来ならば作る資料を、本当に病院(治験責任医師)が作成すると、QCが大変。そもそもQCできるのか?
・ 「治験のポータルサイト」に登録した治験と登録しない治験でスピードに差が出ないか?(逆に言うと、差が出ないようではポータルサイトの意味が無い。)


●施設に関して

・ 拠点病院・中核病院と通常の医院との治験格差が生じないか?
・ 現状ではクリニックでの治験にシフトしつつあるのに、5ヵ年計画の対象(中核病院、拠点病院)は大病院が多い。このままでは大きな施設と格差(2局化)が出るので、クリニックをどうするのか考えるべき。


● IRBについて

・ 中央IRBが主流になるとどうなるのか?果たしてスムーズになるのか?小さな案件はどうなのか?(余計に時間がかかるのでは?)
・ 中央IRBとローカルIRBの実質2段階になるのでは?
・ セントラルIRBとローカルIRBとの間の齟齬が出たら?
・ 現実として2つのIRB(中央と個別)に対する対応が必要?
・ IRBの議事録公開で治験の企業秘密は守られるか?
・ IRBの情報公開で、公開しすぎるとバラツキがでてダメな施設には治験を依頼しなくなるかも




★治験活性化5ヵ年計画のメリット(活用方法)

こちらの方はデメリットと違い、明らかに会社としてのノウハウ(競争優位)に絡みそうなアイディアが多いのでデメリット以上に記載できない。
かなりの数のアイディアが出たが、ほんのさわりだけ。


★治験活性化5ヵ年計画のメリット(活用方法)として上がった例

● データーマネジャー(DM)の活用方法
・ 依頼者が最初のプロトコルやCRF作成の段階で病院のDMにも意見を聞くようにする。

● 治験のポータルサイトをうまく利用すれば治験の進行が早くなる




ここで大切なのは(言うまでも無く)「治験の活性化5ヵ年計画」を我が事のように考える点にある。
そして、使えるものは何でも使う、事前に対応が必要なことを他社よりも早く準備を進める、という「精神」こそが大切なのだ。

僕たちが会社の研修で検討したことが全て正しいとは思わないし、予想だにしない方向に5ヵ年計画が進むことももちろん、あるだろう。

しかし、安穏としてお上が出してきた計画を「どうせ何も変わらないよ」と斜に構えて眺めるのではなく、自分に降りかかる出来事として捕らえることが大切なのだ。

なにしろ、治験をやっているのは、他でもない、まさに僕たち自身なのだから。


架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

2007年09月09日

史上最強のチームとは?(その2)

先週に続いて「優秀なモニター集団」についてです。

前回は「優秀なモニター」が集まっただけでは、優秀なモニター集団(チーム)に成るとは限らないという話をしましたが、ここをもう少し掘り下げてみたいと思います。

プロ野球を見ると「優秀な選手」を集めれば、それだけで優勝できる野球チームに成れないことは、もう、例を挙げるまでもなく、皆さんご存知のとおり。
例え全員が4番打者級を集めても、強力「打線」にはなりません。
「打線」は「線」なので、繋がることが大切です。
そのためには、「戦略優先」で「スタンドプレー」を抑えることも必要です。
自分ではカッコよく打ちかましたいところを「送りバンド」をせざるを得ないことも有ります。
しかし、「自信満々の優秀な選手」が勝手にヒット狙いをすることも・・・・・・。
こういう「自信満々の優秀な選手」の個々の才能を尊重しつつ、チームのために働いてもらうには強力なリーダーシップを発揮する優秀な監督が必要なのでしょう。


また、今では世界の一流オーケストラの筆頭に挙げられる「パリ国立管弦楽団(パリ管)」の有名なエピソードもあります。
昔、「パリ管」は、超一流の演奏者が揃っていたのですが、オーケストラとしての評判はいまいちでした。
それは何故かと言うと、「オーケストラ」としての練習を積んでいなかったからと言われています。
フランス人の音楽家ですから、これはもうプライドが高く、しかも「音楽センス」なんていうのは「練習」して磨かれるものではない、まして、団体(オーケストラ)として練習することなんて、意味がないと、演奏家たちは考えていたらしいのです。

そこへシャルル・ミンシュという有能な指揮者がやってきました。
彼は、徹底的に「パリ管」に「チーム(オーケストラ)」としての練習を強いました。
そして、それは見事に開花しまし、一躍、世界のトップレベルに躍り出ました。
もともと、超一流の演奏家たちの集まりですから、そのメンバーが強力なリーダーシップを発揮する指揮者の下、オーケストラとして練習を積んだのですから、当然です。

サッカーでもしかり。
とんでもなく長いパスを出す選手が優秀なのではなく、正確に味方の選手にパスを出せる選手が「サッカーチーム」における「優秀なサッカー選手」というわけです。


モニターの場合(特に日本の場合)はどうでしょう?
一匹狼的に優秀なモニターだけを集めたチームを考えてみましょう。

それぞれのモニターは自分が担当している施設については任せてくれ!と自信たっぷりでしょう。
それでは、自分の施設のことばかり考えていればいいかというと、これがそうもいかないのが現実です。

他のメンバーのために治験関連の資料(例えばQ&A集とか)を作ることも有りますし、チームの勉強会のために講師を務めることも時には必要です。

また、(実はこれが最も重要ですが)どんな時でもチームを「いい雰囲気」にすることがプロジェクトチームには必要です。
ところが、個人プレーばかりが目立ち始めて、自分の成果を相対的に上げるために、足の引っ張り合いをしやすいのが、優秀なメンバーの場合、起こりやすいとも言えます。
(本当は、そんなことをすること自体が「優秀なモニター」の定義から外れるのですが。)


多種多様な人が集まっているのが会社であり、組織であり、チームです。
お互いの才能を認め合い、受容しながら仕事をすることがプロジェクトチームに配属されたモニターには要求されます。
特に治験の場合、ひとつの治験薬の仕事が終わり、無事に申請まで持っていったら、そこでチームは解散となり、今度は、また別々のプロジェクトに配属される、という特徴があります。
こういう特殊な事情を考えると、ますます、モニターには「多くの他者」と協調して働く才能(性格、スキル)が必要となります。


そんな多種多様なモニター集団を「スーパーモニター集団」にするためには、所謂「管理職業務」だけの管理職よりも、現場での指揮官(キャプテン)のキャプテンシップが威力を発揮します。
そして、それは、現場にいる、あなたが発揮することを期待されている態度(行動、能力、スキル)なのです。(たとえ、何の肩書きが無かったとしても。)


優秀なモニター集団になれるかどうかは、あなたにかかっています。



架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

2007年09月02日

史上最強のチームとは?

大阪で開催されている世界陸上で、日本の4*100mリレー、男女とも入賞を逃したものの日本新記録を出した。
(特に日本の男子は決勝でもかなりいい線までいったよね。)

陸上競技は基本的に徹底的に個人競技だが、このリレーと駅伝に関して言うとチーム競技だ。
だから、リレーや駅伝に出場する選手は、自分の得意競技で闘う以上に、緊張する。

僕たちが関わっている新薬開発の仕事も同様だ。

治験にくるまでに、基礎研究のスクリーニングから始まり、薬効薬理試験、一般薬理試験、各種の毒性試験を経て、治験となる。
治験に入ってからも、フェーズ1の臨床薬理試験、フェーズ2の探索的臨床試験、フェーズ3の検証的臨床試験と繋がっていく。
無事に製造販売承認を得たとしても、そこからさらに、もっと本格的なフェーズ4としての調査が始まる。


モニターの仕事は(ひょっとしたらCRCの仕事も)、個人経営店的な仕事になりやすい。

モニターの場合、通常、ひとりで数施設の医療機関を担当する。
担当となった医療機関での治験に関して、そのモニターは全責任を負うことになる。

治験がGCPを守って行われているか、予定どおりのスピードで進行しているか、予定どおりに(あるいは予定よりも早く)終了するか、これら全てがひとりのモニターにかかってくる。

これだけ見ると、徹底的な個人競技のように思えるが、実は少し違う(特に日本の場合)。

例えば50施設の治験の場合、大抵、7,8人位のチームを組んで、治験が行われる。
このチームが上手くチームワークを発揮できるかどうかに、治験の成功がかかってくる。

治験が順調に行っている場合はいいのだが、普通、そんなことはまず無い。
なにかしら、いつも、問題を抱えて治験は進んでいく。

どこそこの病院でプロトコル違反が多発した、とか、予定通りに治験が進んでいないとか、途中でチームの誰かが転職するとか・・・・・・など等。

このような問題が発生した時にこそ、そのチームの真価が問われる。

また、SDVの際にはお互いに助け合ったりもする。

欧米のモニターの場合は、もっと個人競技的性格が徹底しているが、その点、日本ではチームワークがまだ威力を発揮する余地がある。
今後、世界同時開発、国際共同治験になった時に、日本の強みを見せられるかどうかは、この独特のチームワークが発揮できるかどうかにかかってくる(弱点になる恐れもある)。

優秀なモニターが集まれば優秀なモニター集団となるかというと、そうもいかないことが多い。
逆にごく普通のモニターが集まって、極めて優れたチームとなることも、多々有る。

この差はどこにあるのか?

日本人は他国に比べてチームプレーが得意と言われたり、チームワークが良いと言われたりするが、実は、何故、そうなのかがあまり検討されていない。

(ただ単に、個人競技が弱くて、それに比べたらチームプレーがまだまし、ということではないことを祈りますが。)

チームとしての強さはもちろん、チームリーダーに拠るところが大きいが、それだけでもない。

治験の場合、どのようなチームが素晴らしい成績を生むかを考えてみるのも、組織全体の質を向上させる意味からも意義がある。

あるいは、どんなことをすれば、史上最強のチームになるのか。

たまには、こういうことを真剣に考えてみるのもいいだろう。

2007年08月26日

治験担当モニターに向いている人とは

インターンシップや就職活動の補助などのため、学生との係わり合いが多くなってきた。

そんな中で必ず学生から出てくる質問は「治験担当モニターに向いている人とは?」というものだ。

どんな性格の人がモニターに向いているのか、モニターになるために必要な資格やスキルは何か? という質問が多い。

まず、「どんな性格の人がモニターに向いているか?」だが、これをモニターの仕事から考えてみよう。

モニターは治験実施医療機関に出向き、治験責任医師や治験分担医師、CRC、治験事務局など等の人たちと会い、仕事をする。

そうなると、ここはやはり「人見知り」しないほうがいい。「ひとと出会うのが好きだ。ひとと一緒に仕事をするほう一人で仕事を黙々とするよりも好きだ。」という性格のほうが、モニターに向いていそうだ。

逆に「ひとりで仕事を黙々とやる方が好きだ。」とか「ひとに会うのがおっくうだ。」というひとはモニターには向いていない。

だから、どちらかというと『内向的』よりも『外交的』な性格のひとのほうがモニターの仕事に向いている。

じゃ、『内向的』なひとが絶対にモニターに向いていないか、というと、実はそうとも限らない。

ただ『おしゃべりな』で約束を守らないモニターよりも、口数は少ないが『信頼のおける発言や行動』をとるモニターのほうが治験関係者から信頼を得ることは間違いない。

仕事のスタイルで言うと『内勤、ディスクワーク』をしているよりも『外勤、出張の多い仕事』のほうが好きだ、というひとはモニターに向いている。

しかし、モニターの仕事に『内勤、ディスクワーク』が無いかと言うと、とんでもない、もちろん多い。

僕は『外勤、出張の多い仕事』よりも『内勤、ディスクワーク』のほうが圧倒的に好きで、モニターから「一日中、会社にいて机に向かっているとおかしくなりませんか?」とよく質問される。

とりあえず「おかしくなっている」が、辛いことはない。


『積極性』はモニターに限らず、社会人に求められていることだが、モニターは特に『臨機応変さ』も持ち合わせた『積極性』が有るといい。

治験実施医療機関で、モニターは治験責任医師や治験関係者から『思わぬ』質問や対応を迫られることが少なからずある。

それをいちいち「社に戻って検討させてもらいます」と言っていては、仕事にならない。


治験担当モニターに向いている人としては、さらに『誠実さ』が求められる。

まぁ、これもまた、何もモニターだけに求められるものではないが、医療関係者と信頼関係を構築することがモニターには強く求められるので『誠実さ』は、本当に大切な要素だ。


『仕事が丁寧』というのも、モニターに求められるものだろう。

たとえば、SDV。SDVを雑にやるモニターの治験データは信頼性に欠ける。

もちろん、健康で、体力があって、精神的にも肉体的にもタフなひとがいい。

以上が、大雑把に言って、モニターに向いている人の性格や特徴だ。


では、次にモニターに必要なスキルは何だろう?

コミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキル、交渉力、読解力、対人スキル・・・・・・これまた、数えだしたらキリがない。

このあたりのスキル関係は、会社に入ってからいくらでも研修を受けるチャンスがあると思うので、最初から、このようなスキルが無くても、全然、構わない。


その他の学生からの質問で興味深かったものは『自分に合った仕事をするべきか?それとも自分がやりたい仕事をするべきか?』というものだ。

普通は、自分に合っているので、それをやりたくなるのが仕事だと思うのだが、学生の立場で考えると、もう少し難しい。

学生にしてみれば、まだ経験をしたことがない臨床開発の仕事、モニターの仕事の話しや、会社の担当者からの説明を聞いただけで、その仕事が、自分に合っていて、自分がやりたい仕事だ、と簡単には判断できないだろう。

そりゃそうだ。また、実際にやったことがない仕事が自分に適しているかどうかなんて、分かりっこない。

ただ、人に会うのが苦手、人と話すのが苦手、というひとにはモニターの仕事は自分に向いてないかも、とはわりと素直に思えるだろう。

また、学生のうちから、自分がどんな仕事に合っているか、適しているかを正確に判断することは難しい。

なので、僕としてはまず『自分がやりたい仕事に就く』ことをおすすめします。


モニターの仕事の説明を聞き、それを「やってみたい!」と思えるかどうか、だ。

「やってみたい!」と思う理由は様々だと思うが、この場合、その理由は問わない。

とにかく、あなたが「やってみたい!」と思うことが大切なのだ。

モニターとしてのスキルや適正が自分には無いと思ったとしても、それ以上に「モニターの仕事をやってみたい!」というならば、迷わず、モニターの仕事をまずはやってみることをお勧めします。

スキルなんてものは、あとで練習すればなんとかなるものです。

それよりも大切なのは内に燃える「やってみたい」という想いだ。

最後に。

どんな仕事をやるにしても、絶対に必要なのは『情熱』です。

架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」