TOP>2007年11年
製薬会社は同業他社と、どこで区別化しているかというと、それはもちろん「商品(医薬品)」だ。
他社とは違う薬効をもつ薬、他社とは違う安全性(が高い)、他社とは違う持続性(長い、あるいは短い)というように。
もっと極端に区別化するには、これまで他社が手がけていない薬を創る、あるいは治療薬が無い分野を開拓して新薬を創製する、などだ。
では、CROはどうか?(あるいはSMOはどうか?)
ところで、製薬会社を立ち上げようとすると、言うまでも無くそれはそれは大変だ。
まずもって、新薬の玉子が無いといけないし、それに開発するにはお金も膨大に必要だ。
一方で、CROを立ち上げるのは製薬会社を立ち上げることに比べれば、圧倒的に簡単だ。
もちろん、これは「ただ立ち上げるだけ」に限定していて、立ち上げたCROを成長させるのは、難しい。
CROを立ち上げるのに必要な資源は、基本的に『人間だけ』いればいい。(あとはパソコンと電話機とコピー機でもあれば足りる。)
結局、『人間だけ』で成立しているのがCROなのだ。
そのCROでは、一体、どのように『区別化』の戦略をはかっているのだろうか?
まず、CROは『製造業』でも『販売業』でもない。CROは『サービス業』だ。
『サービス業』で他社と差をつけるとしたら『価格』、『サービスの内容』、『サービスの質』の3点となる。
ここで『価格』を区別化の手段として選ぶと、自分で自分の首を絞めることにもなりかねない。
(もちろん、妥当な価格帯というのは存在し、それを遥かに上回る価格で勝負することも、自分で自分の首を絞めることにもなりかねない。)
そうなると、残されているのは提供できる『サービスの内容』と『サービスの質』になる。
この2点で勝負するためには何が必要か?
それは『人材』だ。
ただ人が沢山いればいいという問題ではなく、他社に無い『サービスの内容』を考えられる人材と、それを実践できる人材が必要となる。
また、『サービスの質』でもクライアント(治験依頼者:製薬会社)が満足するサービスではなく、それ以上のサービスの質を提供する必要がある。
現状では、残念ながら、まだクライアントから要求される『サービスの質』をクリアするのが精一杯という感じだが(クリアすればまだいいほうで、クレームがつくぞ!というおしかりの言葉も聞こえそうだが)、いずれにしても、他社よりも一歩、前を行くためには提供できるサービスの質を考える必要がある。
クライアントが予想もしないようなサービスを提供し、リピーターになってもらう、これがCROの生き残る道だろう。
治験の仕事で、そんな『クライアントが予想もしないようなサービス』があるのか? それにそもそも、そんなことまでしないといけないのか?そんな必要があるのか?と思う人もいるだろう。
そう思う人がいても、それはそれで正解だ(僕にとっても)。
何故なら、僕が今、書いたのは「区別化」する方法なのだから。
■架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」
■臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」