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2007年06月24日

患者をあきらめない治験

長いこと治験の業界に足を突っ込んでいると(と言っても、たかだが10年程度だが)、「あの新薬はまだ出ないの?」とか「あの治験はどうなったんだろう?」とか「期待されていたあの新薬の開発はどうなっている?」という話を聴く。
実は僕も個人的に期待していた新薬がまだ市場に出ていない(製造販売の承認が取れていない)。
噂によると、また治験をやり直している(か、追加の試験をやっている)らしい。

一患者の立場で言わせてもらうと「何、やってんの?」だ。
その治験薬は当初の予定ではとっくに市販されていてもおかしくない。
何しろ、フェーズ3の創薬ボランティアの募集を新聞等で募集していたのが、もう、今から7年前。
海外では既に市販され、この分野では最もポピュラーの薬になっているのに、日本では、まだ治験をやっている状態。
しかも、ひょっとしたら、その治験だってうまく行くかどうか分からず、下手したら日本での開発を諦める可能性だってある。

一時、僕はこの期待していた薬を個人輸入でアメリカから購入して使っていた(効果はもちろん有った)。
その後、この薬と似た薬理メカニズムを持つ別の薬が先に日本で販売されたので、今は、そちらを保険適応で使用している。


こういうのがタイムラグに苦しみ患者の気持ち、経済的不安なんだと思う。

今ではインターネットで自分の病気の最新の治療方法を調べることができる。
でも、そこにこんなことが書かれているとがっかりする。
「海外では●●●が標準的に使用されているが、日本ではまだ承認されていない。」

しかし、患者はそんなことで病気との闘い(或いは共存)を諦めるわけにはいかな。
ましてや、患者が本人ではなく、自分の子どもなら、なおさらだ。

患者は新薬が出てくることに希望をつないで生きている。
患者は決して、その新薬の治験を諦めない。

でも、製薬会社は治験を途中で諦めることもある。
新薬開発を中止するのは、製薬会社にとっても大きな痛手だが、諸々の事情で(最も大きな理由は有効性が証明できなかったり、安全性に問題が有ったりした場合)、期待の新薬を諦める。

有効性や安全性に問題が有るなら仕方がないが、治験のやり方がまずかったり、GCP不遵守が多かったりして、再度、治験をやり直すことになり、これ以上は経済的にやっていけない、という理由では諦めて欲しくない。

正直な話、僕がこれまで関係してきた治験薬でも、数年前に治験を行い、その時は有効性を証明できず、しばらくお蔵入りしていたものが、やおら蔵から取り出され、もう一度、開発を始める、という例が少なくない。
(この手の話は外資系に多い。たとえば海外では既にドル箱に近いくらい使用されているのに、日本でやった治験では有効性を証明できなかった場合などが、この例にあたる。)

この業界の人間として、この手の話を聞くと心が痛む(少なくとも、いい感じはしない)。
その新薬の出番を諦めていない患者がいる限り、僕たちはそう簡単に治験を諦めてはいけない。
僕は今でも、前述した新薬の承認を待っている。決して諦めてはいない。

僕たちが治験を行う時は、患者を諦めてはいけないのだ。


市場主義、自由競争経済の中で生きている製薬業界だから、利益の確保は重要だ。次の新薬開発のためにも資金がいる。
しかし、他の業界と違い、ただ利益優先だと困る。

製薬業界の各種会社のホームページを見るといい。
そこには各社のビジョン、ミッション、使命、理念など等が記載されている。
たいてい「患者のために」の言葉が入っている。

この言葉が単なる言葉だけで終わらないことを、一患者として祈っている(祈るしかできないところが患者の最も辛くて歯がゆいところだ)。

架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」



2007年06月17日

あなたが担当している治験の意義は?

新入社員の導入研修に一区切りがついて、ホッとしているホーライです。

ところで、その導入研修の仮免試験とでも言うべき「面接試験」の試験官をやった。
約2ヶ月の導入研修を終えた新入社員に対して、どの程度、GCPや治験、プロトコル等の知識があるか、モニターとしての心構えがきちんとできているか等を試験する。

この試験の時にも使った質問事項ですが、「あなたが担当している治験を行うことの意義は何ですか?」

新入社員であれば、治験そのものの意義は、まぁ、答えられるが、もっと具体的に「自分が担当するプロジェクト(プロダクト)の治験を行う意義」となると、なかなか難しい。

担当する治験薬の存在意義はなんだろう?
その中で、今回、自分が担当するこのプロトコルで行う治験をやる意義は?

いかがでしょう?

人は、自分の存在意義もよく考えます。「自分がこの会社で存在する、働く意義は? そもそも、この会社での存在理由は?」とかですね。
それと同様です。


さて、一つのプロトコルであっても長い治験ですと、治験期間が3年位になります。
これだけの長さになると、その間に治験が進まないとか、CRFの回収が進まないとか、SDVだけでまるまる1週間が埋まるとか、かなり辛いことや、困難を壁にぶち当たることや、極めて多忙になることがあります。
そんな時に頭をよぎるのが「なんで、こんなに忙しいの?」とか「え~~い!もう辞めてやる!」とかです。(よぎらない?僕だけ?)

この時に、考えないといけないのが「“この”プロトコルの治験を行う意義」と「“この”治験薬の社会的意義や医学的意義」です。

一般的な治験の意義は「新薬を一日でも世に出し、一人でも多くの患者さんの病苦を救うこと」等と考えるのですが、それだけでは、モニター業務(あるいはCRC業務、治験責任医師業務、信頼性調査業務)は勤まりません。

今、まさに、この手に持っているプロトコルの治験の意義という具体的なところまでブレイクダウンしないと仕事には使えません。
(もちろん、一般的な治験の意義も自分なりに考えないといけないのですが。)

また、新入社員の面接試験で「どういうモニターになりたいか?」と質問すると「医師やCRCとの信頼関係を構築して、治験の質とスピードを向上させるモニターになりたい」等と答えます。
もちろん、これはこれで正しい答えですが、これでは仕事に生かせません。

「では、医師やCRCとの信頼関係を構築するとは、どういうことですか? 具体的にはどのような方法で信頼関係を構築するつもりですか? それがどう治験の質とスピードに結びつくのですか?」と試験官の僕は質問することになる。

さらに続く。

新入社員A「医師やCRCと十分な(良好な)コミュニケーションを取り・・・・・・」
面接官「十分な(良好な)コミュニケーションとは、どういうレベルを言うのか、具体的に教えてください。また、そういうコミュニケーションを取るために、あなたはどうするつもりですか?」


新入社員B「患者の安全を第一に考えるモニターになりたいです。」
面接官「どのようにすれば患者の安全を第一に考えるモニターと言えるのですか?普段のモニタリングで、どうすれば患者の安全を考えることになるのでしょう?」


新入社員C「新薬を一日でも早く、患者さんの手に届けるようにモニターとして頑張りたい。」
面接官「あなたがどうすれば、その希望が実現すると思いますか? そのために、今日からできることは何ですか?」

・・・・・・etc.

結局、どんなに立派な理想、理念、ミッション、ビジョンを持っていても、そのために具体的な行動は何か、というところまで一人一人が自分なりにブレークダウンしないと、結局、「美辞麗句」を並べて終わり、ということになる。

そんなことを患者が許すわけが無い。

「それで、私のために、あなたは何をしてくれるの?」という患者の質問に答えるのがモニターの最低限の義務であり、礼儀だ(特に治験に参加してくださった創薬ボランティアに対しては)。

え?「自分は患者一人一人のために治験をしているのではない」ですか?

なるほど。では、誰のために治験をやっているのですか? 自分のため? 家族のため? 会社のため? 社会のため?

分かりました。もちろん、どんな理由でもいいのですが、では、そのために、具体的に、今日、あなたは何をするつもりですか?

一般論ではなく、具体論で考えてみましょう。



架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」


2007年06月10日

GCPを学問にしないこと

先日、友人と話していたら、その友人から出てきた言葉に感心した。
それは「GCPを学問にしている人がいる。でも、GCPは学問じゃない!」
なるほど、と思った。 まさに!と大きく同意した。

GCPは法律なので、言葉遣いが難解で、シチ面倒くさく、硬い文章になっている。
また、GCPの重箱の隅を突くような解釈を討論することもできる。
例えばこうだ。

「実施医療機関等設置治験審査委員会」と「実施医療機関等設置治験審査委員会等」ではどこが違うか?
最初の言葉では途中で「等」という文字が入り、次の言葉ではさらに文の最後に「等」が入っている。
(この2つの言葉がGCPのどこに書いてあるかは、ここでは敢えて触れない。みなさんも探してみてください。まるで『ウォーリーを探せ!』みたいで10分は楽しめます。)

クイズの答えは(クイズじゃないけれど)、どうってことがないので、どうでもいいのですが、こういう楽しみ方もできるGCPなのだ。

でも、GCPは学問ではなく、使うものなのだ。

僕たちが携わっている「治験」を遂行する時にガイドラインとして存在するのがGCPだ。

創薬ボランティアの人権、安全、福祉の保護のもと、治験のデータの科学的な質と信頼性を確保するためにだけ、GCPは存在する。
そのGCPの解釈のための解釈ばかりやっていても、何も始まらないし、そんなことをやっていても、治験は一歩も進まない。

「オーバークォリティ」に「オーバーリアクション」、そんな言葉が出てきただけでも、今まで、いかに僕たちはGCPに振り回されてきたかが分かる。
(いや、GCPに罪はない。振り回したのは僕たち治験依頼者、治験実施者、当局という人間のほうだ。)


GCPを学問にしてはいけない。GCPを使って治験を遂行するのが先決だ。(それだけのためにGCPは存在している。)

僕たちは「実践してナンボ」の新薬開発業務を生業にしているのであって、GCPの解釈のためだけの解釈で時間を費やしていい業界にいるわけではない。

GCPの先には新薬を待ち望んでいる患者がいることを忘れてはいけない。
吐き気で苦しんでいる患者にとって、どこに「等」の漢字がついていようとどうでもいいことなのだ。
一刻でも早く、自分の吐き気を止めてくれる薬が世の中に出てくることだけが患者の望みなのだ。


ときどき、立ち止まって、自分たちが何をやっているのか、考えてみるのもいいことだ。
時間が貴重なのは患者だけでなく、僕たちだって同じはずなのだから。



治験推進センター

治験、臨床試験の情報サイト

架空(仮想)の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

僕の治験活性化計画 by ホーライ

2007年06月10日

後発医薬品 夏にも治験

『後発医薬品 夏にも治験 −ジェネリック学会−』 日経新聞(2007年6月8日)の記事です。 「日本ジェネリック医薬品学会(理事長・武藤正樹 国際医療福祉大学教授)は今夏にも、特許が切れた新薬と同じ成分を使った後発医薬品の効果や副作用を市販後に確かめる治験(臨床試験)を始める。  医師や薬剤師が後発薬を不安視し採用に消極的なケースがあるため、製薬会社などとは別に学会主導で効果などを確認し、利用促進を目指す」とのこと。 記事を要約するとこんな感じ。 ・同学会は後発薬を臨床的。社会経済的に検証す...

2007年06月07日

CRC未経験者の研修

新人が毎月入社してくる…SMOではよくある事…ですよね、多分。

と、いうわけで。
基本的に、毎月研修しているやまちゃんです。

研修期間中は、日々の業務が思うように出来なくなります。
でも、それでも。
管理職、CRC、教育担当は並行していきたいです。
だって、やまちゃんだからこそ出来るGCP教育があると思うのです。
「治験依頼者からSMOに新規試験の打診あり」
から、
「終了報告書の作成」
「製造販売後試験」
「実地調査」
等、治験の大まかな流れをまず説明します。
次に、徐々にGCPとCRC業務のエピソードを絡めて肉付けしていきます。

やまちゃんのトークも、
「法律だし難しいよね。わからなくても大丈夫。」
からスタートし、
徐々にGCPの重要性を説いていきます。
最終的には、
「GCPを理解出来ていないと、結局バカをみるのは自分だよ。」
はい、GCPは自分の身を守るツールです。
でもね〜。。。
ここで終わりではだめだめなのです。
しかもこれでは脅しですよね。

「被験者さんの人権、安全性の確保の為に覚えなければいけないんだね。」
という事に気がつくように持っていく必要があると思います。
でも、ここに至るには、とにかく、
「GCPアレルギー」
にならない様に、教えなければと思うのです。
first impression、責任重要なのです。

2007年06月04日

患者の立場から

やまちゃんは、頑丈な方だと思います。

そんなやまちゃんですが、今日は患者さんになってしまいました。

患者さんになる前に。
そもそも、何処のクリニックに行けば良いのか…。
携帯のサイトで、比較的近所を探しました。
やまちゃんは、公共の交通機関を利用しますので、立地(駅から近い等)も重要なポイントです。
それから。
もし、今日一日で治癒しなかったら。
今後の通院の事を考えると、例えば最終受付が17時よりは、19時の方が好ましいです。
更に、土日も診療していると有難いですね。

最終的には、上記の条件を満たすクリニックを発見する事が出来ました。
ところで。
携帯サイトのタウンページは、診察時間・休診日を載せていない医療機関の方が多かったです。
これでは、いちいち電話しないとわかりません。
やまちゃん?
診療時間と休診日を載せてあるクリニックから選びました。
実際に、患者さんの立場で、初めての医療機関を探してみると、患者さんの気持ちや治験実施医療機関の見方も、別の角度から見る事が出来ますよね。

結局、今度の土or日に検査結果を聞きに行く事になりました。
(…ちょっと、不安です。)
待合室には、やまちゃんの大好きな熱帯魚の水槽があり、医師もスタッフも良かったです。
でも、患者のやまちゃんにとって一番ありがたかったのは。
都心で調剤薬局が近所にあるにも関わらず、院内処方だったのです。。。

2007年06月02日

新薬開発における『イノベーション25』

先日、『イノベーション25』の最終案がまとまった。

その中に下記の記述がある。

★イノベーションの創出・促進に関する政策は、国民一人ひとりの自由な発想と意欲的・挑戦的な取組を支援する「環境整備型」へと考え方を大きく転換していかねばならない。

長期戦略指針『イノベーション25』は、2025年までを視野に入れ、豊かで希望に溢れる日本の未来をどのように実現していくか、そのための研究開発、社会制度の改革、人材の育成等短期、中長期にわたって取り組むべき政策を示したものである。

イノベーションとは、技術の革新にとどまらず、これまでとは全く違った新たな考え方、仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことである。

このためには、従来の発想、仕組みの延長線上での取組では不十分であるとともに、基盤となる人の能力が最大限に発揮できる環境づくりが最も大切であるといっても過言ではない。

そして、政府の取組のみならず、民間部門の取組、更には国民一人ひとりの価値観の大転換も必要となる。


したがって、イノベーションの創出・促進に関する政策は、従来の政府主導による「個別産業育成型」、「政府牽引型」から、国民一人ひとりの自由な発想と意欲的・挑戦的な取組を支援する「環境整備型」へと考え方を大きく転換していかねばならない。



★『イノベーション25』の基本的な考え方

長期戦略指針『イノベーション25』では、その特質を踏まえ、以下の5点を基本的な考え方とした。


1.未来に向けての高い目標設定と挑戦

2.グローバル化と情報化の進展への的確な対応

3.生活者の視点の重視

4.多様性を備えた変化と可能性に富む社会への変革

5.「出る杭」を伸ばす等人材育成が最重要




では、ここで、上の5つの基本的な考え方を製薬業界にあてはめて考えてみよう。


「1.未来に向けての高い目標設定と挑戦」

医薬品開発は常に「未来」に向かって挑戦し続けている。
しかし世界的な大企業でも新薬の「種」は尽きることもあり、現在は、ベンチャー企業が、その間隙を縫って活躍している、という状況だ。
これからの20年間は、今以上にベンチャー企業が頑張ることだろう。
大企業は、そういった特色あるベンチャーとの提携により(あるいは吸収合併により)、新薬の種を手中の納めるか、種だけを導入するという路線が進むはずだ。


じゃ、大企業は自らが高い目標を掲げて挑戦しなくてもいいかというと、もちろん、そんなことは無い。
せっかくベンチャーから導入した新薬もいつかは特許が切れるし、自社開発製品が出ないと、自社の研究所の「腕が鈍る」。

20年前はベンチャーだった「アムジェン」は、もはやベンチャーとは言えず、立派な大企業になった。
そのうちにベンチャー企業も他のベンチャー企業を頼るようになり、やがてはベンチャー同士の合併などが出てきて、新たな挑戦者がまたこの「新薬開発競争」に参戦するようになるだろう。

以上より「1.未来に向けての高い目標設定と挑戦」は、『イノベーション25』で言われるまでもなく、否が応でも製薬業界は常に目指すべきものである。


「2.グローバル化と情報化の進展への的確な対応」

『イノベーション25』の2番目の基本的考え方は、まさにたった今、我々が直面している課題だ。
グローバル化(新薬の世界同時開発)は、わずかながらも、その数を日本でも増やしてきた。
今後は中国やインド、台湾、韓国などのアジア勢の一員として、新薬の基礎から世界開発までを一手に担うエリアとなるだろう。

「情報化」と言う意味ではゲノム創薬、抗体医薬品など、複数のデータベースを有効に使いながらの基礎研究から応用研究を進める方向が定着している。
このような、言わば「新薬開発領域」という「閉じた」世界での「情報化」は進んでいるが、インターネットという「開いた」世界における「情報戦略」は、今のところ、あまり大きな成果が出ていない。
(ちなみに、先日、DNAのらせん構造を解明したワトソン博士のゲノム情報が一般に公開された。ある特定の個人のゲノムが公開されるとは、珍しい話だ。)


「3.生活者の視点の重視」

「生活者の視点」というくくりで言うならば「QOL向上」を目指した新薬の開発が数年前から加速されてきた。
「重病」とは言えないが、生活の質という立場で考えると本人にとっては「深刻な悩み」を解決するための薬だ。
今後は高齢者社会が加速度的に進むので、ますます、製剤的な工夫やDDS等の製剤化技術とともに基礎研究も[
生活者の視点に立って」進むことだろう。


「4.多様性を備えた変化と可能性に富む社会への変革」

新薬の開発は国際化して、世界同時開発になってきたとは言え、製薬会社そのものは、日本の場合、まだまだ多様性を持っているとは言えない。
もちろん、外資系の場合、会社のトップに外国人が多いが、一般的スタッフにはまだまだ受け入れが少ない。
僕の感覚ではアジア系の人たちが、最近、社内に多くなってきた、という会社が多い気がする。
いずれにしても、まずは、自分たちの世界を多様化させ、異質な文化同士がぶつかりあいながらブレークスルーを打ち出していく、というあたりを目指していけばいいな、と思っている。


「5.「出る杭」を伸ばす等人材育成が最重要」

さて、最後の項目はもっとも重要で、かつ、「う~~~ん」的な問題だ。

ベンチャー企業はそもそも、会社自体が「出る杭」なので、その中で出る杭が自然発生的に育つ風土がある。
問題は「大企業」だ。

僕の治験活性化計画」にも書いたが、製薬業界も歴史の長い、成熟産業だ(IT業界などに比べたら)。
ずいぶんと「一人ひとりの意識の中にある見えないタテの壁、そして大学、企業、府省等々どこの組織にもあるタテの壁」があると僕は思う。
また、これからの治験や新薬の世界同時開発を目指すとき、もっとも重要なことは「社会に存在する変化を拒む様々な壁と抵抗を撥ね退けてイノベーションを起こす」ことだ。

治験の活性化に頑張る製薬業界が目指すべき『イノベーション25』は10-20年を見据えれば、すべては人つくりなのである。

まぁ、これは製薬業界だけでなく全ての産業で言えることだけど、「人材」こそが「会社」なのだ。
もちろん、その人材に「あなた」が成って悪い理由はない。あなたこそが「人材」になるべきなのだ。

出世や報酬などを忘れて仕事に没頭することが好きな『ひときわ異彩を放つ“出る杭”』のあなたがた、皆さんが、これからの20年を創造していく主役であることだけは間違いない。