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2007年05月26日

治験をライフワークにする

「治験をライフワークにする」と言っても、何も、「ここ10年間、ずっと治験に参加しています」とか「今、月に3本の治験に参加しています」というものでは、もちろん、ない。

僕自身、1999年まで、自分が治験をライフワークにするとは思っていなかった。(「医薬品ができるまで」を立ち上げたのが2000年の6月だ。)

ライフワークって、そんなものなんだろう。

始めた当初は、まぁ、軽い気持ちでやってみるか、というのがきっとライフワークなのだ。
ライフワークにするぞ!と始まったライフワークって、無いと思う。

手塚治虫の「火の鳥 」とかジョージ秋山の「浮浪雲 」とか水島新二の「あぶさん 」とか(マンガばかりというのが、何とも、いやはや)、連載を始めた時から「こいつをライフワークにするぞ!」といったものではなかっただろう。

長い年月をかけ、気がついたらライフワークになっていた、ということだ。



今年入ってきた新入社員のうち、何人くらいが治験をライフワークにすることだろう?

今年だけで、日本全国で、多分、1000人近いひとが新たにモニターとして、また、CRCとして働き始める。

「新薬開発の現場」「臨床試験の最先端」と言うとカッコよさそうだが、もちろん、カッコいいばかりではない。

地道なデータチェック、煩雑な手続き作業。

創薬ボランティアとのコミュニケーション、出張に次ぐ、出張の仕事。(しかも、今では、出張先のホテルでも仕事が出来るときている。)

社外以上の社内での人間関係とストレス。


でも、楽してお金がもらえるだけなら、多分、これだけ多くの人が治験に携わってはいないだろう。

治験の仕事には治験の仕事ならではの魅力があるから、多くの人が、ずっと治験に関わっているのだ。



どんな職業でもそうだが、その道を極めた人というのは、輝いている。

今、新入社員たちは、不思議なことに、そういう「この道10年」というベテランモニター、CRCと負けないくらい、目が輝いている。

どうか、その目の輝きと心のワクワク感、ドキドキ感をずっと忘れないでいて欲しい。


もしも、仕事がダレテきたら、思い出そう。この治験薬の先に待っているものを。

治験の仕事はライフワークに値する仕事だと、僕は思う。

2007年05月19日

治験の『オーバークォリティ』を考える

先日、社内の研修で「今、オーバークォリティが治験の問題点として注目されている。」と発表したら(発表は僕ではなかった)、ある若手モニターからこんな質問が出た。
「日本の治験は質が低い、と言われているのに『オーバークォリティ』が問題というのはどういう意味ですか?」

なるほど、ごもっともな質問だ。

僕も以前、「モニターとCRCの勉強方法」(http://www.geocities.jp/cra_crc_study/)の中で、こんなことを書いたことがある。


===「モニターとCRCの勉強方法」からの抜粋 ===

日本の治験の質は低い。
この「治験の質」という言葉を書くと自動販売機のように「日本の治験の質は低い」という言葉が出てくるほどだ。

日本人気質から言うと、細かいことに気を使いそうだが、こと、治験に関してはそうはいかない。と言うかベクトルの向きがちょっと変だ。

何故か?(何故だろう?)

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この「ベクトルの向きがちょっと変だ」がミソです。


「日本の治験の質は悪い」と言ったときの質というのは「プロトコルやGCPの遵守状況」や「データの信頼性」を指していることが多い(と僕は思っている)のですが、今、問題となっている「日本の治験の『オーバークォリティ』」というのは、どちらかというと手続き論的なものが多い(と僕は思っている)。

例えばGCPでは治験薬の管理責任は医療機関の長が担っており、管理を委託するときは治験薬管理者(原則、薬剤師)というのが記載されています。
すると、どうなるか?

ある会社では「治験薬の取り扱い手順書」を一度、医療機関の長に提出しないといけない、と決めているところもあります。
もちろん、GCPの条文を四角四面に解釈すれば、そうなのでしょうが、実際は病院長がそんな手順書を見るわけもなく、治験薬管理者に直接「治験薬取り扱い手順書」を提出した、とモニタリング報告書に記載されていても、僕は全然、問題ないと思っています。
しかし、それではだめで、一度は必ず病院長に提出すべきで、それがモニタリング報告書に記載されていないといけない、と考える方もいらっしゃいます。


「ベクトルの向きが違う」というのは、このあたりではないでしょうか?


僕はこのこと(治験薬取り扱い手順書を直接、治験薬管理者に渡すこと)が、創薬ボランティアの人権、安全、福祉の保護に影響するとは、どうしても、とうてい思われません。

むしろ、こんなこと(「医療機関の長」に提出するプロセスを必ずモニタリング報告書に書かないといけない、などということ)ばかりにモニターが気を使って、なおかつ、時間もとられて、汲々としてSDVが満足にできない、というほうが、ずっと創薬ボランティアの人権、安全、福祉の保護に影響を与え、ひいては新薬の上梓が遅れて、そのことで患者さんの苦しみが1日でも伸びることのほうが、非倫理的だと思います。

GCPの本質を考えていきたいところです。


また、企業と総合機構の担当官に間にヒエラルキーがあるのも『オーバークォリティ』の一因だと僕は見ています。

なにも、担当官が(人間ですから、もちろん、)常に正しいわけではなく、実地調査や書面調査で疑問に思ったことを口にも出すのは当然です。(僕だって口に出します。)

そんなときはその質問に答えればいいだけです。


かつて、僕がフランス系外資製薬会社にいたときに機構の担当官から「臨床監査部がR&Dの中にあることについて「監査の独立性」ということを踏まえて見解を述べよ」みたいな指摘(正式な紙での「疑義事項」として)されたことがあります。

そのとき、僕らが答えたのは監査部門が臨床部門と同じR&Dに所属していてもSOPできっちりとモニター部門との独立性を謳っており、事実、監査がモニリング業務を行うこともない」旨の回答書を出して、了解を得ました。
ところが、次の調査でも同様の指摘が紙できましたので、これまた、同様に答えました。
そして、次の調査では指摘される前にこちから説明しようと、実地調査の最初に「監査部門の独立性について」というセッションを設けたのですが、機構の担当官から「あ、それはもういいです」と言われました。

自分たちはこういう理由でGCP上、問題無いと考えるのならば、それを最初から貫くべきだと思います。


なにも、機構の担当官も新薬の開発の邪魔をしたくて仕事をしているわけではないはずです。
(社内のQC部門や監査部門もまたしかり。)


創薬ボランティアの人権、安全、福祉の保護のもと、治験データの科学的な質と信頼性を確保する、ということは何をどこまでやればいいのか、もう一度(機構や当局に頼ることなく)「自分の頭」で考えるべきではないでしょうか?

そして、その自分の頭で考えたことを正しく主張していきましょう。


社内的にも、社外的にも「自分の頭で考える」自立した社員になりたいものですね。

2007年05月16日

EDC導入は

やまちゃんは、以下の研修に参加しました。

グローバル開発に向けた臨床試験の品質と効率化を考える

それぞれ興味深い内容でしたが、中でも、
「製薬協統計・DM部会アンケートの結果」
は、やまちゃんが肌で感じている通りの結果でしたので、
「はわ〜。。。やっぱりね〜。。。」
状態でしたよ。
内容ですが、
【質問項目】データ・プロセッシングに関するもの、標準化、EDC、品質確認の方法などについての質問項目について調査。
【実施時期/対象】2006年9月に、統計・DM部会参加67社中64社からの回答(内資45社、外資19社:内資・外資は自己申告)。
全て紹介するのは無理無理ですので、EDCについてですが、
1)EDCの使用経験:内資22%、外資58%
*使用経験なし/予定なし・・・内資:外資=27:3
うんうん、やまちゃんの感覚と一致しています。

2)紙CRFの様式について
内資・・・VISIT型:BOOK型=15%:85%
外資・・・VISIT型:BOOK型=74%:21%
*紙CRFを使用していないというかいしゃも、一社ありました。
ふむふむ、確かに内資はBOOK型主流だと思います。

ところで、今回やまちゃんは、
「EDCって、通過点に過ぎないんだね。」
と感じました。
行き着く先は、eClinical Trials
「CRC・・・ましてSMOなんて、受身でしょ。
与えられたモンを正確に乗りこなせてれば十分じゃないの?」
確かにね、topicなど知らなくても業務はこなせます。
でも、目先の業務をこなしておしまい、ではやまちゃんつまらないと思うのです。
興味を持って、自分から仕事を追いかけていきたいのです。
まぁ、今日はもう寝ますけど・・・


2007年05月15日

EDCintroduction

EDC…増えていますよね。
確かに、
紙(分冊型)→紙(VISIT型)→EDC(専用機器、回線)→EDC(web)
という流れを肌で感じます。
EDC初期は、依頼者から提供される専用の機器を診察室に設置し、回線工事を行わなければならず、施設選定時に、
「対象患者は間違いなくいるし、(治験薬の)作用機序にも興味があるからやってみたいけど。
でも、回線工事は無理だね。許可がおりないよ。」
と、治験責任・分担医師に断られた事がありましたっけ。
今は、webが主流ですかね。
ノートPC貸出しOKは、有難いですね。
やまちゃんの乏しい経験で恐縮ですが、やまちゃんは、内資No.1のあの会社のEDCが一番使いやすかったです。
あ、勿論、
「だって日本語なんだも〜ん♪」
は、抜きにしてですよ。
さっすが、リーディングカンパニーって、思いました。
一言で言えばシンプルなのです。
CRAの対応も、良いのです。
…と、あたかも、
「紙?絶滅寸前なんじゃないすか?」
みたいなノリになってしまい申し訳ありません。

やまちゃんが勝手に、
「開発力あるよな〜。。。」
と、注目している某社は、分冊型主流です。
プロトコルは異なっても、基本のCRFのデザインが同じですので、やまちゃんは書き易いです。
標準化されているという事になりますよね。
そんな中、やまちゃんは、
「なるほどね〜。」
と、とても為になる研修に参加したのでした。

2007年05月09日

調剤薬局にて 2

ただね、調剤薬局にも「カラー」があるみたいですよ。
医療機関の周囲に複数ある場合は、被験者さん達にリサーチすると良いと思います。
つい最近も、ある被験者さんが、
「●◇薬局は、頼みもしないのにペラペラ勝手に説明して、高い金をとられた。二度と行かない。」
と、おっしゃっていました。
と、いうわけで。
調剤薬局は一ヶ所で宜しくね!
というお話でした。
でも、一番良いのは、
「治験期間中に限り、院内処方で対応していただく。」
です。
つまり、同種同効薬を治験実施医療機関で購入いただくわけです。
わざわざ調剤薬局に行かなくても、参加期間中は院内でお薬を受けとれるわけです。
更に、
「入院患者は院内処方、外来患者は院外処方で対応しています。」
という医療機関であれば、治験参加中に限り、全てのお薬を院内処方でお出しいただくよう交渉します。
ちなみに、医療機関から断られた事はありません。
併用禁止薬のチェックも、院内の薬剤部でチェックしていただけると良いですね。
院外の調剤薬局との面倒な交渉をさけつつ、同意取得率を上げ、尚且つ同意撤回率の低下につながります。
何よりも、被験者さんのメリットになりますね。

あ、そうそう。
中途未経験で調剤薬局勤務の方を、つい最近、面接しました。
その際に、前述のお話(勝手に説明して、その分の費用を上乗せ)をしてみました。
そうしたら、
「大学病院とクリニックで、費用が違うのと一緒だし、嫌なら別の調剤薬局に行けばいいじゃないですか。」
という答えが返ってきました。
ふぅん…。

2007年05月08日

調剤薬局にて 1

SMOが、日本の治験に貢献しているのは間違いないと思います。
では、SMOの貢献と聞いて、貴方が一番初めに思い浮かべた事は、何ですか。

やまちゃんは、
「診療所・クリニックでの治験実施」
です。
※功罪という言葉の通り、「罪」…陰の部分もありますが、それは又、別の機会にね。
と、いうわけで、話を戻します。
クリニックでは、院外処方が多いと思います。
ただし、近くに調剤薬局が無ければ、院内処方の体制を余儀なくされます。
日本は、広いのです。
医薬分業は、まだまだなのです。
院外処方のクリニックで治験を行う際に、注意しなければならない事があります。
同種同効薬が存在する試験です。
費用は、「基本的に」依頼者に請求をします。
と、いう事は。
被験者さんが通常通り、調剤薬局に処方箋を持っていきますと、当たり前ですが被験者さんが負担する事になってしまいますよね。
そこで、調剤薬局との打ち合わせが発生します。
それぞれやり方は異なるでしょうが、とにかく、
「被験者さんが同種同効薬の費用を、調剤薬局に払わないようにセッティングする。」
重要なのは、この点です。
ちなみに。
複数の調剤薬局との打ち合わせは大変ですし、把握するのも一苦労です。
被験者さんには
「●●調剤薬局さんに行って下さい。」
と、お願いしましょう。
基本的には、医療機関の近くにある調剤薬局になりますよね。

2007年05月05日

新人の感覚

副作用、
二重盲検、
プラセボ

CRCが同意説明補助を行う際に、このあたりを如何に説明するか。
CRCの治験に対するスタンスが、剥き出しになります。
さて、GCP教育が一通り終了したところで、新卒・未経験中途採用者に同意説明文書を読むよう指示します。
ちなみにこの時点で新人は、医療機関に行く前であり、実際の同意説明補助業務は見ていません。
彼女・彼らに同意説明文書の感想を聞くと、非常に興味深いです。

ところで。
今回は、副作用についての彼女・彼らの感想を取り上げたいと思います。
だって見事に、全員の思考の方向が一致していましたから。
「何処まで詳しく話して良いか、わからない。」
「詳しく話し過ぎて、断られたらどうしよう。」
「軽く流して話すと思う。」

…つい数分前には、
「被験者さんの人格が一番大事!」
「被験者さんにとって、一番身近な存在として…。」
等々、言っていた人達の発言です。

結論から先に言ってしまいますと、
「ま、そんなモンでしょ。」

講師の説明が悪いとか、
新人達の理解度に問題があるとか、そういった次元の話とは違うと思います。
彼女・彼らは、現時点では自分達の発言の矛盾に気がついていないのです。

矛盾について指摘するだけであれば、やまちゃんは要らないと思います。
この矛盾を掬いあげ、自分で気がつくように持っていくのが、講師の役目だと思うのです。

2007年05月01日

新卒中途の研修一段落、雑感

G.Wを境に、新卒・未経験中途採用者の研修が一段落、というお話をしたかと思います。
やまちゃんはCRCの管理職として、導入研修で何を教える立場であるのか。
組織におけるやまちゃんの使命、役割から考えますと、大きく分けて、
1.CRC業務全般
2.組織の中の使命、役割

辺りは必須でしょうか。

ところで。
SMO全般的に、離職率が高いようです。勿論、定着率の高い会社もあるとは思いますが。
注)今回は趣旨が異なるので、高離職率については分析しません。
そこで三番目に、
3.帰属意識を根付かせる必要が出てくると思います。
人ひとり育てるために、会社は先行投資をしているわけです。
大体、CRCが一人前として「最低限」出来るようになるまで、平均3〜6ヶ月はかかると思います。
この間も、会社は一人前未満の社員に給与・賞与を払わなければなりません。
ん〜。。。
中々ね、募集すれば即、人員が確保出来るとは限りませんので、辞められたら困るわけです。
(早く辞めればいいのに〜。。。という社員もいたりしますけど、ね)
でも、そこに重きを置いてしまうと、行き過ぎると新卒にコビを売る事になりかねません。
これは、良くないですよね。
と、いうわけで。
やまちゃんは、
「とりあえず3年間働けば、ヨシとする。」
「他SMOやCROに転職しても最低限恥ずかしくないレベル、使えるレベルに育てる。」
管理職としては如何なモノかと思いますが、日本の治験推進には、貢献しますよね〜。
それと同時に。
やまちゃん自身も、教育を担うひとりとして、ミッションが見えたと思ったのです。