新入社員の研修の二週間目が終わった。
23日(月曜日)から27日(火曜日)の一週間で、スイッチが入った新入社員が出てきた。
その一方で、少しダウン気味の新人もいる。
この一週間では、GCPの各条文を治験の流れに沿って教えた。
今年は3ステップ方式というやり方を考えて、その方法で教えてみた。
まず(ステップ1)、大まかな治験の流れと、それに関連するGCPを教える。
このステップでは治験施設の調査、選定、IRBでの審議、契約、治験薬交付、創薬ボランティアの登録、SDV、終了、総括報告書の作成、というように、本当に大雑把に教える。
次に(ステップ2)、もう少し細かく治験の流れと関連GCP、それに付随するポイントを教えた。
この3ステップ方式では、このステップ2がメインとなる。
二日間の研修のうち、このステップ2にほぼ1日かける。
他のステップがほぼ半日ずつだ。
そして、最後に(ステップ3)、もう一度、治験の開始から終了までを、復習を兼ねて教える。
新入社員たちは、噂には聞いていたGCPの全貌に、最初は愕然とする。(あまりにも量が膨大な上に内容が細かいので。)
ところで、この3ステップ方式の良い点は、まず、治験の全体像を頭にいれ、徐々に詳細な地図を完成していく点だ。
(世界地図の見方を教えるときに、まず、地図の上が北、下が南であることを教える。いきなりイタリア半島を詳細に教える人はいないだろう。)
もう一つの利点は、大事なことを繰り返し、繰り返し学び、できるだけその場でGCPを理解し、覚えることができる点だ。
こうして、自分たちがやることになるモニターの仕事が分かってきたわけだ。
そうなると、俄然、研修に身が入る人がでてくる。
これまで漠然としていた自分の仕事(モニターの仕事)が、ぼんやりとだが、つかめることができ、具体的な目標を立てられるようになるからだ。
研修中に質問する人が増えてくる。
顔つき、目つきが変わってくる人がでてくる。
研修の最後に毎日三人ずつ「今日学んだこと、感じたこと、これから自分は何をしないといけないか」というスピーチをやってもらっている。
この中である受講生がこう言っていた。「GCPのこの本はまるまる一冊、創薬ボランティアの人権、安全、福祉を保護するためにあることが分かった。」と。
そうなのだ、そんな重要なGCPを知らないモニターが万が一いたら、そういうモニターもどきは外に出せないのだ。
だから、繰り返し、繰り返し僕らはGCPを教える。
規則が多すぎる、手順が煩雑だ、ICH-GCPに比べると必須文書が多い、など、今のGCPにはそれなりの問題も含んでいるが、そのGCPを覚えるところからしか、今の日本で治験を行うことはできない。
「治験のあり方検討会」メンバーの人たちにも、是非、今のGCPを覚えてもらいたいぐらいだ。


