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2012年03月29日

お知らせ

  現在発売中の『別冊サイゾー×PLANETS 文化時評アーカイブス 2011-2012』にマンガと小説の座談会、それから再掲されているクロス・レビューに参加しております。自分が関わっているページ以外にも、サブ・カルチャーについて、様々なジャンルをまたぎ、なかなか読みでのある内容ではないかと思いますので、どぞどぞよろしくお願いします。 ...

2012年03月13日

『世の中おかしいよ』石原慎太郎

  『文學界』4月号掲載。自称・小説ファンの御多分に漏れず、石原慎太郎の良い読者ではないのたが、この『世の中おかしいよ』に関しては、途中まで、いやいやこれ案外おもしろいじゃないの、と思いながら読んだのだった。池袋署で警部補を務める男が自分の経験談を(おそらくは読み手に対して)報告するというスタイルの作品であって、その主観の実に一面的であることがニヤニヤとした笑いを誘う。 とりわけ序盤の、警察官で...

2012年03月13日

『ベッドサイド・マーダーケース』佐藤友哉

  『「新潮」4月号別冊 Story Power 2012』掲載。その『Story Power 2012』の表紙には「元気の出るお話、売ります」とあるが、しかしこの佐藤友哉の『ベッドサイド・マーダーケース』を読んだからといってたちまち「元気」が出るかどうか。いくらか疑問が残るのは、一般的に「ポジティヴ」だというふうに判断されるのとは反対の力学によって小説が編まれているためであり、まあ決して「ハッ...

2012年01月14日

『今まで通り』佐藤友哉

  『新潮』2月号掲載。ここ最近、文芸誌の類に目を通していると震災後の日常を小説の舞台に使っているものが、いや確かに増えた。必ずしも直接的な被害を題材にしているわけではないのだったが、作中人物の心境に、あの体験が、部分的にであれ、紛れ込んでいる様子なのである。そりゃそうだろう。そうした在り方こそが、我々の現在なのであり、生活なのであって、リアリティなのだから、とは思う。しかしながらその大半に対し...

2011年12月20日

お知らせ

 12/21(水曜日)の19:00から放送される「ニコ生PLANETS」の年末特番「惑星開発大賞2011」に小説とマンガの二部門で出演します。今年の作品で印象に残ったものについてちょびっと話させていただく予定となっております。詳しく内容等は→こちら でご確認ください。 ...

2011年10月02日

川端裕人『てのひらの中の宇宙』

闘病中の妻と5歳男児ミライと2歳のアスカと暮らす僕の連作短編5編。科学小説、とあるが哲学小説とも読める。ミライの気づきが僕の気づきになる。カメの背中に都市がある。カメは宇宙へ向けて飛び出すと父カメの口から飛び出す。その先には祖父カメの口、曾祖父カメの口…。...

2011年08月08日

安住洋子『日無坂』

薬種問屋の大店に婿養子として入った父と、真っ直ぐな性格から父と対立して勘当され、堅気でなくなった長男。ともによく似た性格の二人が10年ぶりにすれ違う日無坂は暗く、父は息子に気づきもしない。時代小説だけれども、上質な絹のような心地よい文章。...

2011年07月29日

山本文緒『恋愛中毒』

地味な女性である水無月の恋愛遍歴を組み立てて謎解き仕立てにしている秀作。時系列だと、荻原→藤谷と結婚→執行猶予→離婚→創路の愛人→実刑を経て現在に至るところを、現在→離婚→創路との恋愛に絡めて両親との確執、藤谷との結婚を描いていく。要所で荻原に迷惑をかけて、けれども助けられ、どこか荻原に似た若い社員を聞き手として始まった物語は水無月の一人語りとしてねじれて収束する。構成そのものがひねくれてストーカ...

2011年07月02日

『その役、あて書き』大鶴義丹

  大鶴義丹、十四年ぶりの小説作品というインフォメーションにいったいどれだけの価値があるのかは知らないが、じつはこの『その役、あて書き』に関しては、『en-taxi』に連載されているのを欠かさずに読んでいたのだった。話の筋だけを取り出せば、どうということもない。B級ホラーの映画監督が、業界に倦んだ生活を送るなかで、売れていない若手女優と関係を持ち、やがて魂の再生を果たしていく(いやいや、まあね)...

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