「曇天」という言葉が好きである。
「晴天」よりも「雨天」よりも使用頻度は少ないかも知れぬが好きである。
なにが好きか。
その響きである。
「ドンテン」
その響きには、動きがある。
「どん!」「(すっ)てん」といった、わんぱくな感じ。
且つ、空に雲が低く敷きつめ込まれた「どんより」した感じも伝えている。
そして、
「雨天中止」というよりも「曇天決行」といったほうが前向きな姿勢になるのに、まったく普及しない肩身の狭さ。
万年日陰者の立場にあるのも、とても「曇天」のイメージにかなっており、愛着がもてるのだ。
【蛇の足】
・小説「スキップ」では、
「”片栗粉”という言葉の響きが
「かた、くり、こ」と、あの袋から指で押さえた感じに似ていて好きだ」
という趣旨のくだりがあった。
言われてみれば確かに。
・そういえば、今週はオフィスでの間食として、おしゃぶり昆布大容量タイプを一気に食べ、
顎関節症になりかけた。「顎関節症」という単語は、本当に顎がガクガクした様を伝えるので、
優れた症状名だと思う。
過度に租借を重ねたので、顔が少し弥生人に近づいた気がする。
・「ハレルヤ(hallelujah)」という言葉は、無意識のうちに「晴れるや」と脳内で変換されてしまう。
いまだに。
しかし、ぱぁっと光が射して神々しさあふれるイメージならば、別に「晴れるや」でもいいかと思う。
したがって私のPCは「はれるや」を入力すると、忠実に「晴れるや」と変換してくれる。
・ポルトガル語源の日本語というのを見てみるのは面白い。
中世の「日葡辞書」なんて、葡語の発音表記から当時の日本語の発音が分かるというのだから、
やはりザビエルの功績は偉大である。日本に来てくれて本当にありがとう。
・上記に関連するが、キリスト教関係の用語の響きはやっぱり楽しい。
芥川龍之介の小説は、声に出して読みたい日本語(になったポルトガル語)がいっぱい。
しかし、マンショとかガラシャとか子供に名前つけたくても、日本では風当たりが強そうだ。
だから余計に、ポルトガル語に憧れる。
・やはり、名前とその人のなりが一致しているのは良い。
締めはルパンネタになるけども、
「次元」は、モンキーパンチ氏が「異次元とか4次元とかいう響きが好きだったので」命名、
「峰不二子」は、「富士山のカレンダーが目に入ったから」というトンチキな理由で決定。
40年経た今となっては、もうこれ以上ないネーミングと感じさせるのだから、インスピレーションって凄い。



