始まりの予感に心ときめいたり終わりの予感に切なくなったり
そんな夜はフランス映画。
20代の始めに出合って以来、くり返し観る回数は
恋の始まりと終わりの数に比例していく。
『男と女』
癒されない傷を負った二人が、今一歩踏み出せないもどかしさ。
過去を捨てきれない不器用な大人同士の恋が甘く切ない。
ストーリーはシンプルなのに、何十年も私の心を捕らえたまま離さないのは
くすぐったいフランス語と女優の美しさだけじゃない。
男と女の回想と現在の心情を表わすために、何度も交差するモノクロームとカラーのシーン。
ラストシーンの駅で抱き合う二人のストップモーション。
その周りをぐるぐるまわるカメラ。 フランシス・レイの心地よい音楽。
まるでMTVのような映像と音楽のコラボレーションは、私の中の恋心と音楽魂にいつも旨く作用する。
クロード・ルルーシュがプロモーション・フィルム上がりの監督だと知って
「やっぱり!」と嬉しくなったのはつい最近の事だけれど。
「愛してる」の電報を受けた男が、祝賀パーティーを抜け出し
泥がついたままのラリーカーでモナコからパリまでの道のりを飛ばすシーンには
毎度の事ながら女心をくすぐられ私はどんどん溶けていく。
このラブストーリーを私はこの先何度観ることになるんだろう。


